選書アドバイザー 仲 真紀子

仲 真紀子
理化学研究所 理事
お茶の水女子大学大学院博士課程単位取得退学。学術博士。千葉大学、東京都立大学、北海道大学、立命館大学を経て現職。北海道大学名誉教授。専門は発達心理学、認知心理学、法と心理学。研究テーマは記憶、コミュニケーション、目撃証言、司法面接(被害児童からの聴取技法)。専門家向けに司法面接の研修も行っている。
10代の若者へのメッセージ
「時を忘れて没頭できること」を大切に!
科学と読書
- Q. あなたにとっての「科学道の本」は?
- A. 『鉄腕アトム』
「鉄腕アトム」のお茶の水博士にあこがれて、科学者になりたいなと思いました。 - Q. 無人島に1冊持っていくなら?
- A. 星 新一のショートショートか、小松 左京の未読本
- Q. どんな科学者にも会えるとしたら、誰に会いたいですか?
- A. エメット・ブラウン博士
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のエメット・ブラウン博士に会って、タイムマシンの作り方を教えてもらいたい。
担当テーマ
科学道100冊 2022 科学史タイムトラベル
推薦本
2022

『漫画 サピエンス全史(人類の誕生編)(文明の正体編)』
- ユヴァル・ノア・ハラリ(原著・脚本)ダヴィッド・ヴァンデルムーレン(脚本)ダニエル・カザナヴ(画)ほか
- 河出書房新社 2020年
7万年前、すべてはサピエンスの認知革命から始まった
人類の歴史は認知革命から始まった。数種類いたヒト属の中で、なぜホモ・サピエンスだけが生き延びたのか?1万2000年前の農業革命は何をもたらしたのか?人類史に新たな視点を提示した世界的ベストセラーが、公式漫画化でパワーアップ。
推薦コメント
歴史学者・哲学者であるユヴァル・ノア・ハラリの著書の漫画バージョン。大きくもない、強くもない、走るのが速いわけでもないホモ・サピエンスが、どうして唯一の人類として生き延び、永らえたのか。これを可能にした「革命」的な出来事を大胆に語る。
クラシックス

『ソロモンの指環─動物行動学入門』
- コンラート・ローレンツ(著)日高 敏隆(訳)
- 早川書房 1998年
一緒に暮らして書いたノーベル賞学者の生き物観察記
29日間温めてきたガンの卵から、ついにヒナが顔を出した。目と目を合わせ、言葉を交わしたその時から、ヒナは著者ローレンツを母親と認め、離れなくなった。食事の世話に寝かしつけ、川べりへの散歩、忙しくものどかな子育ての日々。ガン語が話せ、カラス語がわかるノーベル賞学者の動物観察記。
推薦コメント
ソロモンの指輪を身につけると動物と話ができる?行動学者であるコンラート・ローレンツが、動物の行動のメカニズムを紐解く。生涯にわたる行動に影響を及ぼす初期学習など、遺伝と環境の問題を考える上でも有用な1冊です。
クラシックス

『ロウソクの科学』
- ファラデー(著)三石 巌(訳)
- 角川書店 2012年
1本のロウソクに始まる ファラデーの伝説の講演
炎、大気、水、物質。たった一本のロウソクに宇宙の法則がすべてある。19世紀イギリスの大科学者ファラデーが、ロウソクの実験を通して子どもたちに伝える科学と自然と人間との深い関わり。少年少女の心で耳を澄ませたい、クリスマスの夜の特別講演。
推薦コメント
「電磁誘導の法則」を発見した物理学者、マイケル・ファラデー(1791ー1867)が子ども向けのクリスマス・レクチャーで語った内容を本にしたもの。「ロウソクが燃える」ということに関わる深淵な物理現象を説明しています。