選書アドバイザー 泰地 真弘人

泰地 真弘人
生命機能科学研究センター 副センター長
1987年東京大学理学部物理学科卒業後、1992年同博士課程修了。博士(理学)取得。1997年統計数理研究所助教授。2002年理化学研究所に入所し、ゲノム科学総合研究センターなどを経て、2013年より現職。2019年には、創薬専用スパコンである分子動力学(MD)シミュレーション専用計算機「MDGRAPE-4A」の開発に成功。専門は、計算物理学、計算機アーキテクチャ。
担当テーマ
科学道100冊 2022 情報の世紀
推薦本
2022

『情報と秩序─原子から経済までを動かす根本原理を求めて』
- セザー・ヒダルゴ(著)千葉 敏生(訳)
- 早川書房 2017年
経済成長は、情報成長の表われにほかならない
情報とは何か?情報はどこからやってくるのか?情報の視点で世の中を見ると?米国のMITメディアラボで先端科学に従事する著者が、「情報」で社会や経済を読み解いた。経済成長とは情報成長である、と言いきる、話題の1冊。
2022

『コード・ガールズ─日独の暗号を解き明かした女性たち』
- ライザ・マンディ(著)小野 木明恵(訳)小谷 賢(解説)
- みすず書房 2021年
第二次世界大戦中、暗号解読を担った女性たちがいた
情報技術を発展させてきたのは戦争だ。第二次世界大戦中、日独の暗号解読に従事した1万人以上の米国女性たちがいた。これまで口を閉ざしてきた当事者らへのインタビューや手紙を元に、彼女たちの日々を鮮明に描き出すノンフィクション。
2022

『世界を一枚の紙の上に─歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』
- 大田 暁雄(著)
- オーム社 2021年
全ては一枚の紙に表されている 世界を視覚化したダイアグラム
19世紀初頭の西欧。市民社会拡大の中で、人々は「世界の可視化」を必要とした。生態系をダイアグラム(図表)に表現したドイツの科学者フンボルト。以降150年間に描かれた、人口や貿易収支などの統計図表、世界地図や地球儀、統計に絵文字を用いたアイソタイプまで、科学のグラフィズムの歴史を解説する。
2022

『コンピュータ、 どうやってつくったんですか?─はじめて学ぶ、コンピュータの歴史としくみ』
- 川添 愛(著)
- 東京書籍 2018年
毎日使うコンピュータ。でも中身は、まるで知らない。
コンピュータは、なぜ0と1だけで、複雑な計算ができるのだろう。理系男子とヘンテコな妖精が、問答形式で紐解く入門書。そもそも数字って?電気で計算するってどういうこと?プログラミングの考え方とは?コンピュータを生み出した過去を振り返り、未来を考える。
2022

『QRコードの奇跡─モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ』
- 小川 進(著)
- 東洋経済新報社 2020年
トヨタの工場から始まった 世界標準のQRコード誕生秘話
ウェブサイトのアクセスや空港のチェックインなど、日常のあらゆる場面で使われているQRコード。実はその始まりは、日本にあった。トヨタ自動車の工場での源流から、二次元コードと読み取り機の開発、世界に向けた標準化まで、現場の開発者たちが重ねた地道な努力から、ものづくりの本質を学ぶ。