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2010年10月13日

理化学研究所

理化学研究所-カナダMcGill大学の研究協力について(和文仮訳)

今夏に締結された理研-McGill大間の覚書に基づき、ナノテクノロジーおよびグリーンケミストリー分野における優れた両機関の研究者30名が、カナダ・ケベック州モントランブランにて最先端の研究情報を交換した。「理研とMcGill大は、これら重要な研究分野にて、ともに革新的機関であることを認識した。」と、Heather Munroe-Blum McGill大学長は述べている。「覚書の調印からほんの数週間のうちに、すでに研究者間で実りある研究協力が見えつつあることをうれしく思う。今後両機関の協力関係からは多くの成果が生まれると予想しているが、その最初の成果につながることだろう。」

理研の土肥義治理事もこれに同意し、「理研もMcGill大学との協力関係の発展を非常に喜ばしく思っている」「理研とMcGill大学はこれまでも脳科学や発生生物学において協力してきたが、先の9月に開催されたワークショップでは、新たにナノテクノロジーとグリーンケミストリー分野での研究協力の可能性を探る有益な議論がなされた。これらの分野で両機関の協力関係が発展し、現在世界が抱えるさまざまな問題に対応して、持続可能な社会へと道を開くような大きな研究成果がもたらされることを望む。」と述べている。

McGill大学の物理学の教授であるGuillaume Gervais博士の研究室は、新しいナノ・スケールでの半導体の開発に重要な貢献をしている。博士はモントランブランでのワークショップに参加し、海外の研究パートナー(理研研究者)との新たな協力関係の構築に強い期待を持った。博士はナノテクノロジー分野の重要性を強く感じており、「最近10年間に世界中でさまざまなナノテクノロジーの研究機関が設立されたこと、また先週、2010年のノーベル物理学賞が炭素の新素材であるグラフエンの研究開発に与えられたように、この分野は成長著しい。」とのコメントを滞在先のフランスより寄せた。「ナノサイエンスとナノテクノロジーは、本来、多様な分野であり、学際的な分野である。研究者やエンジニア間での協力は知識の向上のために不可欠である。今回の理研-McGill大間のワークショップは、そうした協力関係の具体例であり、同時に研究を通じて人々の生活を変えていくという共通ビジョンの体現でもある。研究への情熱に国境はなく、つまりは、「ナノ」スケールでも一歩一歩テクノロジーを前進させる夢を共有することなのだ。」

この研究協力覚書は、2010年7月15日に署名された。ナノテクノロジーやグリーンケミストリー(環境の視点から考え直す化学)の知見が応用可能な広範囲の研究分野を対象としているが、例えば、触媒作用や高分子化合物研究、物質解析、環境化学の向上、生物学的過程の探索などが該当する。研究者たちは、また、ナノフォトニクス(光を感知する物質を扱う領域)、ナノエレクトロニクス、ナノデバイスといった領域も検討している。なお、モントランブランでの今回のワークショップは、カナダ外務国際貿易省のGoing Global Innovation プログラムの助成を受けて開催された。

以上

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