2012年8月10日
理化学研究所
未来の科学者のタマゴ、日米の高校生が理研和光研究所を訪問
-野依良治理事長、利根川進脳科学総合研究センター長との交流、世界一の重イオン加速器施設を見学-
理化学研究所(野依良治理事長)は、8月13日午後、科学に興味をもつ日米の高校生34名を受け入れ、野依良治理事長、利根川進脳科学総合研究センター長との交流、研究施設の見学などを行います。これにより、科学研究志望という同じ志を持つ同世代間の交流を深め、科学を担う国際的人材の育成、輩出に寄与します。
これは、外務省が東日本大震災からの復興施策として実施している「アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)※1」の一環です。
今回、米国のトマス・ジェファソン科学技術高校※2(Thomas Jefferson High School for Science and Technology)の生徒23名が来日し、約2週間の日程で国内のスーパーサイエンスハイスクールとの交流や、日本の大学・研究機関の視察・訪問、被災地での学校交流などを行います。その訪問先の1つとして理研が選ばれました。また、同校が訪問する東京都練馬区の東京学芸大学附属国際中等教育学校※3からも同じ志を持つ生徒11名が一緒に理研を訪問する予定です。
理研では、将来を担う科学技術を志す次世代の人材が自身の夢を具体的に描く機会を提供するためにノーベル賞受賞者である野依理事長、利根川センター長との意見交換の場を設け、世界一の重イオン加速器施設である仁科加速器研究センターの「RIビームファクトリー」を見学する予定です。
環境、エネルギー、食糧の問題など、人類が乗り越えなければならない地球規模の問題は山積みであり、もはや一国のみでは解決することができません。今回のような機会によって科学技術の役割が益々重要となるこれからの時代の中で、国や文化の枠を超えた協力と協調が築かれるきっかけとなることを期待します。
お問い合わせ先
独立行政法人理化学研究所 外務部 研究協力課
課長 大須賀 壮(おおすか そう)
報道担当
独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
補足説明
- 1.
- アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)
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*外務省HPを基に作成
外務省が東日本大震災からの復興施策の一環として実施しているプロジェクト。アジア大洋州地域及び北米地域の41の国・地域から青少年を招聘し、交流プログラムや被災地視察、ボランティア活動などを実施するとともに被災地の青少年をそれぞれの地域へ派遣することを通じて、日本再生に関する外国の理解を増進することを目的としている。平成25年3月末までに,招聘、派遣を合わせ、1万人以上の交流が予定されている。
- 2.
- トマス・ジェファソン科学技術高校(英語)
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*同校HPを基に作成
米国バージニア州にある公立高校。1985年創立。生徒数は1,854人(2011年現在)。科学、数学、技術に力点を置いたカリキュラムが組まれ、全ての12年生(高校3年生)はtechnology laboratory projectに参加するなどのプログラムがある。U.S. News & World Reportが行う、America's Best High Schoolsランキングにおいて1位を獲得したこともある。
- 3.
- 東京学芸大学附属国際中等教育学校
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*同校HPを基に作成
東京都練馬区にある国立の中等教育学校(中学校・高校)。2007年に附属大泉中学校と附属高等学校大泉校舎を統合・再編し創立。生徒数は約660人(2012年6月現在)。国際社会の第一線で活躍する人材の育成を目指し、中高一貫教育で、国際バカロレアの中等教育課程(MYP)の考えを元に、国際理解・人間理解・理数探究の3つの柱からなるカリキュラムが組まれている。帰国子女や交換留学生の送り出し・受け入れも積極的に行っており、校内が国際的環境にある。