國武 豊喜(くにたけ とよき)名誉研究員は、合成二分子膜の発見による分子組織化学の創出と材料科学分野への先駆的貢献が評価され、第31回(2015)京都賞(先端技術部門 受賞対象分野:材料科学)を受賞されました。京都賞は、科学や文明の発展、また人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々の功績を讃える国際賞です。毎年、先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の各部門に1賞、計3賞が贈られ、今年度の受賞式は11月10日、国立京都国際会館で行われます。
國武名誉研究員は1999年より理化学研究所フロンティア研究システム 時空間機能材料研究グループ グループディレクターとして活躍され、2007年に理研ベンチャーとして株式会社ナノメンブレンを立ち上げました。現在は株式会社ナノメンブレン 取締役、公益財団法人北九州産業学術推進機構 理事長を務められています。
受賞者のコメント
思いもかけず京都賞をいただくことになりました。大変光栄なことです。その根拠となる研究テーマを始めたのは、1970年代の半ばでしたから、もう40年にもなります。しかし、当時の研究上の失敗や成功の思い出は鮮やかに蘇ってきます。その後理研での研究を通じて新しい展開が生まれました。それをなんとか実用的な形にしたいと苦闘しているのが現在の状況です。
略歴
1936年 | 福岡県久留米市生まれ |
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1962年 | ペンシルベニア大学 博士号(化学) |
1962−1963年 | カリフォルニア工科大学 博士研究員 |
1963−1974年 | 九州大学 工学部 助教授 |
1974−1999年 | 九州大学 工学部 教授 |
1999−2007年 | 理化学研究所 フロンティア研究システム 時空間機能材料研究グループ グループディレクター |
2001−2008年 | 北九州市立大学 副学長 |
2007年−現在 | 株式会社 ナノメンブレン 取締役 |
2009年−現在 | 公益財団法人 北九州産業学術推進機構 理事長 |