1. Home
  2. 広報活動
  3. お知らせ
  4. お知らせ 2018

2018年5月21日

理化学研究所

燃焼システム用次世代CAEコンソーシアムを設立

-産官学連携で次世代の燃焼システムものづくりのフレームワーク構築-

理化学研究所(理研)は、「燃焼システム用次世代CAEコンソーシアム」を設立しました。産業界、大学と一体となってスーパーコンピュータ「京」などのHPC環境下でシミュレーション技術を活用した燃焼システムものづくりの次世代フレームワーク構築を推進します。

事業の開始にあたり、5月18日に計算科学研究センター(神戸市)で設立総会を開催し、事業計画等が審議・承認されました。

今後は、産学官連携により、研究所の研究成果の迅速な産業界実用化と、研究情報等の交換、産業界の課題の共有及び解決に向けた連携を図り、次世代の燃焼システムものづくりのフレームワーク構築を目指します。

燃焼システム用次世代CAEコンソーシアムの概要と目的

地球の温暖化防止等、昨今の環境負荷低減に対する社会的な要請を受け、エンジンやボイラをはじめとしたさまざまなエネルギー・輸送機器に利用されている燃焼システムのさらなる高効率化および低エミッション化を推し進める必要性がますます高まっています。
しかし、このような燃焼システムの開発および最適操作条件の選定には、技術者や研究者の経験と勘に頼るところが大きく、数多くの繰り返し試験を必要とするため、膨大なコストや時間を要しているのが現状です。
このような状況に鑑みて、複数の研究機関および重工メーカーからなる「燃焼・ガス化数値解析技術の高度化に関する研究会」を2011年に組織し、燃焼・ガス化を扱う装置の設計や最適操作条件の選定を支援するための数値シミュレータの開発およびその信頼性・有用性の検証に関する研究を進めてきました。
この活動の成果を踏まえ、さらなる発展をはかりたく、このたび理研コンソーシアムの枠組みを使った「燃焼システム用次世代CAEコンソーシアム」を理研の科技ハブ産連本部に設置しました。

本コンソーシアムでは、燃焼を扱う装置の設計や最適操作条件の選定を支援するためのツールとしてのCAE(Computer-Aided Engineering)の信頼性・有用性の検証、およびその「京」やポスト「京」等の高性能コンピュータを利用した高精度化・高速化について検討を行います。
また、学術界と産業界の緊密な議論及び情報交換を促すことで、次世代の燃焼システムのものづくりフレームワークを産学官で連携して構築し、その迅速な実用化を目指すとともに、本コンソーシアムでの議論を国策や次世代スパコンの仕様に反映させる活動にも取り組み、産業界の意見を集約し代表する役割も果たして参ります。以上の趣旨の下、本コンソーシアムでは、以下の2つの事業を行います。

  • 1.燃焼システム用次世代CAEソフトウェアの選定、検証、課題抽出、次世代に向けた提言。
  • 2.意見交換、研究交流の機会提供。

設立総会と役員・会員状況

5月18日に開催した設立総会には、産業会員11社、大学・国立研究機関等会員7機関などから、総勢45名の参加がありました。
コンソーシアムの設立趣旨、活動目的、内容や組織体制が紹介されるとともに、2018年度(2018年5月~2019年3月)の事業計画、収支予算案が審議・承認されました。
また、ワーキンググループの設置も審議・承認され、早速グループごとに集まりディスカッションを行うなど、活動を開始しました。

役員および会員情報

会長、副会長、幹事

会長 黒瀬 良一
(理研計算科学研究センター 客員主管研究員、京都大学大学院工学研究科 教授)
副会長 大島 伸行
(北海道大学大学院工学研究科 教授)
坪倉 誠
(理研計算科学研究センター 複雑現象統一的解法研究チーム チームリーダー)
岡崎 輝幸
(三菱重工業株式会社 総合研究所 主幹研究員)
幹事 渡邊 裕章
(九州大学大学院 工学研究院 機械工学部門 准 教授)
丹野 賢二
(一般社団法人電力中央研究所 上席研究員)
内田 正宏
(株式会社IHI 基盤技術研究所 主任研究員)

会員種別と会員一覧

本コンソーシアムの会員種別は、産業会員と大学・国立研究機関等会員の2種類を設けています。

  • 産業会員(11社)
    株式会社IHI、株式会社IHIエアロスペース、川崎重工業株式会社、新日鐵住金株式会社、一般財団法人電力中央研究所、東京ガス株式会社、株式会社豊田中央研究所、東芝エネルギーシステムズ株式会社、株式会社本田技術研究所、三菱重工業株式会社、他
  • 大学・国立研究機関等会員(7機関)
    北海道大学、大阪大学、京都大学、徳島大学、九州大学、宇宙航空研究開発機構、理化学研究所

ワーキンググループ

本コンソーシアムでは、情報交換よりも踏み込んだ本格的な技術課題について、関心がある産業会員と専門知識を持つアカデミアが参加する専門のワーキンググループを総会の承認を経て設置して検討します。
設立総会では、以下の3つのワーキンググループの設置が承認され、活動を開始しました。

  • 課題検討ワーキンググループ 主査:黒瀬 良一
  • 燃焼解析ワーキンググループ 主査:渡邊 裕章
  • 大規模化ワーキンググループ 主査:坪倉 誠

お問い合わせ先

理化学研究所 計算科学研究推進室
燃焼システム用次世代CAEコンソーシアム事務局
Tel: 078-940-5661 / Fax: 078-304-4956
cngc_adm [at] ml.riken.jp(※[at]は@に置き換えてください。)

報道機関窓口

理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
お問い合わせフォーム

黒瀬 良一会長の写真

挨拶する黒瀬会長(理研計算科学研究センター 客員主管研究員、京都大学大学院工学研究科 教授)

Top