理化学研究所(理研)は、理研が開発主体となって開発・整備を推進しているスーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」[1]の計算資源を活用したクラウド的な利用サービスの試行に向け、共同研究プロジェクトの提案の募集を行い、「富岳」クラウド的利用を推進するタスクフォースおよび外部専門家9名から成るアドバイザリーコミッティでの審議の結果、7件の共同研究プロジェクトの実施を決定しました。
共同研究パートナーおよび実施プロジェクト概要
- Altair Engineering, Inc.
- 「ヴォージュプロジェクト: Altair PBS WorksとRadiossを使用した富岳でのクラウド利用の共同研究」
- HPCシステムズ株式会社
- 「大規模化学計算を富岳で高速かつ簡便に実行可能なサイエンスクラウドの実証」
- 株式会社HPCソリューションズ(株式会社アルゴグラフィックス)
- 「ジョブスケジューラによる富岳へのクラウドバースティング」
- 株式会社エクサ
- 「富岳利用環境整備 ~みんなの富岳~」
- エクストリーム-D株式会社
- 「XTREME-Stargate(TM)とスーパーコンピューター富岳の接続実証実験」
- 公益財団法人計算科学振興財団(株式会社ヴァイナス)
- 「富岳クラウド的利用に向けたFOCUS/VINAS産業利用アプリケーション実証」
- Nimbix, Inc.
- 「Democratizing HPC on Fugaku with JARVICE XE and Kubernetes」
(50音順、括弧内は共同提案者)
(上記の外、相談中の機関が別途1件あり。)
各プロジェクトにおいて、「富岳」のクラウド的利用形態に関する実現可能性と効果を検証するため、理研と共同研究パートナーとが協力しフィージビリティスタディを実施する予定です。
今後、プロジェクトの開始に向け準備を進めてまいります。
共同研究プロジェクトの趣旨・目的、提案の募集については下記ページをご覧ください。
スーパーコンピュータ「富岳」クラウド的利用に向けた共同研究プロジェクト提案の募集(計算科学研究センターホームページ)
補足説明
- 1.スーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」
スーパーコンピュータ「京」の後継機。2020年代に、社会的・科学的課題の解決で日本の成長に貢献し、世界をリードする成果を生み出すスーパーコンピュータ。2021年頃の共用開始を目指している。
「富岳」は"富士山"の異名で、富士山の高さがスーパーコンピュータ「富岳」の性能の高さを表し、また富士山の裾野の広がりがスーパーコンピュータ「富岳」のユーザーの拡がりを意味する。また"富士山"は海外での知名度も高く、名称として相応しいこと、さらにはスーパーコンピュータの名称は山にちなんだ名称の潮流があることなどから理研が選考した。