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2020年6月8日

東京大学
理化学研究所
日医工株式会社
第一三共株式会社

東京大学、理化学研究所、日医工、第一三共による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療に向けたナファモスタット吸入製剤の共同研究開発に関する基本合意のお知らせ

国立大学法人東京大学(総長:五神真、東京都文京区、以下「東京大学」)、国立研究開発法人理化学研究所(理事長:松本紘、埼玉県和光市、以下「理研」)、日医工株式会社(代表取締役社長:田村友一、富山県富山市、以下「日医工」)および第一三共株式会社(代表取締役社長:眞鍋淳、東京都中央区、以下「第一三共」)は、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」)の治療を目指した、ナファモスタット吸入製剤の共同研究開発実施に向けた基本合意に至りましたので、お知らせいたします。

東京大学医科学研究所 井上純一郎教授(研究当時、現:東京大学 特命教授)らは、ナファモスタットが、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性がある薬剤であることを見いだしました。ナファモスタットは、急性膵炎や播種性血管内凝固症候群などの治療薬として、国内で長年にわたって処方されており、安全性については十分な臨床データが蓄積されている注射剤です。

理研は、所内や大学等の基礎研究から生まれた医療シーズを、製薬企業における創薬プロセスや、医療の現場で活用される技術に最適化させるため、「創薬・医療技術基盤プログラム」を設立し、企業や医療機関への橋渡しを推進しています。本件においても、理研の持つ多方面の先端技術を用いて研究開発を支援します。

日医工は、製造販売元として、フサン®(一般名:ナファモスタットメシル酸塩)の点滴静注に関して長年にわたり蓄積してきた臨床データの提供や、本共同研究開発への原薬供給を行います。

第一三共は、抗インフルエンザウイルス薬「イナビル®」の開発で得た技術を活用して、ナファモスタットの吸入製剤化の研究開発を推進します。今後、非臨床試験を本年7月から開始予定で、当局と協議したうえで2021年3月迄の臨床試験移行を目指します。

東京大学、理研、日医工および第一三共は、本提携を通じてCOVID-19の患者さんに一日でも早く新しい治療の選択肢を提供できることを期待しております。

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