1. Home
  2. 研究成果(プレスリリース)
  3. 研究成果(プレスリリース)2016

2016年9月27日

理化学研究所

低速多価イオンビームの太さを髪の毛の1/100に

-静電気でビームを制御し安定供給を実現-

要旨

理化学研究所(理研)仁科加速器研究センター生物照射チームの阿部知子チームリーダー、池田時浩専任研究員、低速RIビーム生成装置開発チームの小島隆夫専任研究員らの共同研究グループは、標的物質に化学的活性を与える能力の高い低速多価イオン[1]ビームを、生物実験などで用いられるガラス製注射針(ガラスキャピラリー)[2]に通し、750ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)の太さのビームとして安定に供給する技術を確立しました。

多価イオンとは、極端に電子が少なくプラスの電気を帯びた原子のことです。多価イオンの速度を、標的物質表面ですぐに静止するような速度にまで抑えたものを低速多価イオンビームと呼びます。低速多価イオンビームは反応性が高い一方、生体分子などに照射すると相手を粉々に破壊することなく、ソフトに分子を切ったり電離させたりすることが知られています。この特長により、真空中に置かれた細胞サンプル表面のタンパク質を破壊することなく、その分布などを調べることができます。しかし、そのためには低速多価イオンビームの太さを髪の毛の直径の100分の1程度の1マイクロメートル(μm、1μmは100万分の1メートル)以下に絞って微小領域にのみ選択的かつ安定に照射する必要があります。

そのため、ガラスキャピラリーを用いて先端の穴の直径を数百ナノメートルに設定して照射する技術開発が進められてきました。しかし、ガラスキャピラリーを通過するビームが不安定で、必要なときに必要な量のビームを供給できないという問題がありました。その原因は、低速多価イオンビームがガラスキャピラリーの内壁に衝突して過剰に静電気がたまり、その過剰な静電気が障害になっていることにあります。

そこで共同研究グループは、電荷の流れを解明して過剰な静電気を効果的かつ適量だけ放電させる手法を開発しました。また、最適な放電の時間間隔を見出しました。過剰な静電気は厄介ですが、静電気を適量かつ適切に残すことで、イオンが内壁に近づき過ぎて制御不能になることを防ぎ、安定なビーム供給を実現しました。

今後、本技術による安定かつ極細な低速多価イオンビームの照射で、真空中に置かれた細胞サンプル表面の分子分布を前処理することなく調べる研究や、物質表面に原子サイズの凹凸で幾何学パターンを構築した機能性材料の開発への応用が期待できます。

本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業の助成を受けて行われました。成果は米国の科学雑誌『Applied Physics Letters』に掲載されるのに先立ち、オンライン版(9月26日付け)に掲載されます。

※共同研究グループ

理化学研究所 仁科加速器研究センター
生物照射チーム
チームリーダー 阿部 知子(あべ ともこ)
専任研究員 池田 時浩(いけだ ときひろ)

低速RIビーム生成装置開発チーム
専任研究員 小島 隆夫(こじま たかお)(研究当時は山崎原子物理研究室所属)

浜松ホトニクス株式会社 電子管事業部第5製造部
夏目 好夫(なつめ よしお)
木村 純(きむら じゅん)

背景

重イオンビーム(炭素以上の重い原子のイオンビーム)は、周囲への影響をできる限り少なく、かつ、高いエネルギーで狙った対象を破壊する性質を活かし、重粒子線がん治療[3]などに利用されています。

一方、極端に電子が少なくプラスの電気を帯びた原子「多価イオン」を利用した低速多価イオンビームは、標的物質の表面で止まり、物質を透過する力がほとんどない程度に重イオンの速度とエネルギーを抑えているため、高い化学的反応性を持ち、生体分子をソフトに切ったり電離させたりすることが知られています。この特長により、真空中に置かれた細胞サンプル表面のタンパク質を破壊することなく、その分布などを調べることができます。

しかし、そのためには低速多価イオンビームの太さを髪の毛の直径の100分の1程度の1マイクロメートル(μm、1μmは100万分の1メートル)以下に絞って微小領域にのみ選択的かつ安定に照射する必要があります。従来の低速多価イオンビームは、電磁レンズ[4]ピンホール[5]で、ビームの太さを絞り込んでいましたが、数十μm程度でも極めて制御が難しく、ましてや1μm以下の微小領域の選択的で安定な照射を行うことはできませんでした。

そこで、安定かつ極細な低速多価イオンビームの照射を行うため、細胞用のガラス製注射針(ガラスキャピラリー)を用いて先端の穴の直径を数百ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)に設定して照射する技術開発が進められてきました(図1)。この手法では簡単に、しかも安く1μm程度のマイクロビーム[6]にすることができます。しかし、この手法で作られる低速多価イオンビームは多くの場合、不安定であり、安定なビームを必要なときに必要なだけ供給する技術はこれまで実現していませんでした。

研究手法と成果

開発が進められてきたガラスキャピラリー法で作られる低速多価イオンビームの不安定さを解消するには、電気を通さないガラス(絶縁体)でできたキャピラリーの内壁にたまっていく静電気を制御する必要があります。

低速多価イオンビームがガラスキャピラリーの中に入る前は、内壁には静電気はたまっていません。低速多価イオンビームがキャピラリー内に入ると、最初はほとんど全ての多価イオンがキャピラリー内壁に衝突してビームの流れが失われます。しかし、多価イオンが運んできたプラスの電気は静電気として衝突箇所に留まります。ガラスは絶縁体のため、いつまでも静電気は衝突箇所に留まったままです。ところが、後から同じ衝突箇所に近づいてきた多価イオンは、そこに留まっている静電気から反発力を受けるため、壁への衝突をうまく回避します。やがて、多価イオンが衝突するキャピラリー内壁の全ての場所に“クッション”の役割をするプラスの静電気が留まることになります。このため、キャピラリー出口の小さな穴から多価イオンが無傷で通過するようになります。このような現象は「自己組織化帯電現象[7]」の一種と考えられていて、従来法でもこの現象を実現できていました。

しかし、クッションとしての静電気は常に適正な強さを保つわけではありません。絶縁体のガラスでもほんの少しずつ静電気を逃がすため、静電気の強さは刻一刻と変化します。静電気が強過ぎるとビームはキャピラリー内部で大きく曲げられ(図2)、弱過ぎると衝突個所でビームが失われます。そのため、さまざまな方向に進む多価イオンの中には、角度が急すぎて静電気のクッションが効かずに壁に衝突する多価イオンも現れます。この制御が難しい静電気の挙動が、低速多価イオンビームの安定供給を妨げている要因です。

共同研究グループは、静電気を適切な強さに常に保つため、過剰にたまった静電気を逃がせるようにした4-電極キャピラリーとサブミクロンキャピラリーの2段構えのガラスキャピラリーを作製しました(図3)。サブミクロンキャピラリーの出口径は、0.75μm(=750nm)で、低速多価イオンはこの出口以外からは出られません。静電気を逃がすためには電極を取り付ける必要がありますが、サブミクロンキャピラリーは小さ過ぎてできません。そこで、出口径が550μmの4-電極キャピラリーを導入しました。

4-電極キャピラリーは4つの領域に分割されており、それぞれの外側に塗布電極(A~D)があります。静電気の制御には電極Aを使います。電極Aは外側の面に塗られていますが、出口を伝って4-電極キャピラリー内壁と電気的につながっています。これは、電極Aのあるキャピラリーの出口付近が最も静電気がたまる場所だからです。また、サブミクロンキャピラリーの内壁とも電気的につながっています。

4-電極キャピラリー内壁にたまった静電気は、内壁ガラス表面を伝って少しずつ移動し、電極Aに到達します。そこで、電極Aにたまった静電気を適度な頻度で取り除いて放電すれば、内壁にたまった静電気が強くなり過ぎることを防げます。

共同研究グループは、電極Aの静電気の放電に機械式リレー[8]を使用しました(図4)。放電する静電気は数千ボルト(V)になることもあります。そのため、高電圧に耐えられる機械式リレーを採用し、数十秒に1回ずつ、0.004秒間だけ作動させて静電気を放電しました。

図5Aは、2段構えのガラスキャピラリーで機械式リレーにより静電気を放電させて作った750nmの太さの低速多価イオンビームにおける通過したイオン数を数えたグラフです。機械式リレーを使わない間(白ゾーン)は通過したイオン数が減少し、やがてなくなりますが、ふたたび機械式リレーを使うとイオン数が増加しビームが復活していることが分かります(緑ゾーン)。また、機械式リレーの作動頻度は10秒に1回でも50秒に1回でも、安定なビーム供給には差はありませんでした。これは、この程度の放電頻度の範囲内であれば静電気の自己組織化帯電現象により、キャピラリー内壁に残る静電気の量がほとんど変わらないことを示しています。

次に、複数作製した4-電極キャピラリーのうち、出口径が180μmと比較的小さい4-電極キャピラリーを単独で使って、ビーム供給の安定性を調べました。図5Bは、通過する多価イオンビームの電流値(通過イオン数に比例する)の結果を示しています。出口径が180μmでも、機械式リレーを使用したとき(緑ゾーン)は電流値がほぼ一定であり、安定なビーム供給ができていることが分かります。機械式リレーを使わないとき(白ゾーン)は、電流値が増えたり減ったりしていることから、ビーム供給が不安定であることが分かります。この結果は、180μm~550μmの範囲であれば4-電極キャピラリーの出口径の大きさに依らず、機械式リレーが安定したビーム供給に有効であることを示しています。従って、4-電極キャピラリーがビーム供給安定化のための中心的役割を担っていることがわかりました。180μmよりも小さいビーム径が必要な場合は、サブミクロンキャピラリーなど小さい出口径のキャピラリーを追加すればよいということになります。

さらに、共同研究グループは、4-電極キャピラリーを通過する多価イオン数を増やす試みを行いました。キャピラリーの真ん中付近に位置する外側塗布電極のBとCに、電圧をかけて積極的に静電気を与えることで、静電気のクッションの厚みを増やしたり減らしたりできるか調べました。その結果、電極B、Cに電圧を加えないと多価イオンの通過割合は約16%しかありませんでしたが、電圧を徐々に加えていくと160Vで通過割合は約48%に達し、その効果は3倍になりました。ただし、200Vよりも多く電圧をかけると、通過割合はふたたび下がりました。さらに、この通過割合の上昇は何度行っても再現されることが確認できました。

これまでガラスキャピラリーを使ったビーム制御では、測定のたびに結果が変わることがありましたが、機械式リレーを使った2段構えのガラスキャピラリー法はこの問題を解決し、これまで静電気のために結果が再現できず精度が悪かった測定に応用できます。

今後の期待

今回開発した機械式リレーを使った2段構えのガラスキャピラリーによる1μm以下の太さに絞った低速多価イオンビームを安定に供給する技術を用いれば、化学的に反応性の高い多価イオンを標的の狭い範囲に量と時間をコントロールして照射することが可能になります。また、1μm以下でなくても、反応性が高い荷電粒子を無傷で輸送しマイクロビームにする技術としても応用が期待できます。さらに、ガラスキャピラリーは使い捨てできるほど安価なので、マイクロビーム装置導入の際に初期投資の低減に繋がります。実際に照射に用いる際には、キャピラリーの出口を顕微鏡で見ることで、ビームの照射位置を制御しやすいという実用上のメリットもあります。

本成果により、真空中に置かれた細胞サンプル表面の分子分布を前処理することなく調べたり、生体分子だけでなく、物質表面に原子レベルの凹凸の幾何学パターンを構築して機能性材料を開発したりすることに応用できると期待できます。

原論文情報

  • Tokihiro Ikeda, Takao M. Kojima, Yoshio Natsume, Jun Kimura, and Tomoko Abe, "Stable transmission of slow highly charged ions through tapered glass capillary with active discharging method for sub-micron sized beams", Applied Physics Letters, doi: 10.1063/1.4962727

発表者

理化学研究所
仁科加速器研究センター 応用研究開発室 生物照射チーム
チームリーダー 阿部 知子(あべ ともこ)
専任研究員 池田 時浩(いけだ ときひろ)

仁科加速器研究センター 実験装置開発室 低速RIビーム生成装置開発チーム
専任研究員 小島 隆夫(こじま たかお)

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715

補足説明

  • 1.多価イオン
    極端に電子が少なくプラスの電気を帯びたイオンのこと。原子が持っている電子の数を極端に減らすことで生成される。低速の多価イオンは標的分子一つだけ、あるいは、標的表面の原子一層分から、大量の電子を奪う。電子を奪われた標的は、本来の形を維持することができなくなる。本研究では、1~13kVの範囲で加速された8価のアルゴン多価イオン(Ar8+)を用いた。
  • 2.ガラス製注射針(ガラスキャピラリー)
    生物実験などで細胞に注射をする際に使われる。管状で先端の穴は非常に小さく、細胞の中の器官を抽出したり、あるいは外から何らかの物質を注入したりできる。一般には、使い捨てにできるほど安価なものが多い。穴の直径は100nm程度の小ささまで設定できる。また、ガラス表面は非常に滑らかで、他の物質の機械加工表面に比べ、イオンビームの流れを妨げにくいといわれている。
  • 3.重粒子線がん治療
    がんの放射線療法の一種。放射線の中でエックス線やガンマ線以外の高速粒子(電子や陽子、その他のイオンなど)を粒子線、特に重いものを重粒子線と呼ぶ。重粒子の炭素イオン(C6+)は、光速の70%の速さにまで加速すると人間の体の中でも数10cmの距離を進むことができる。重粒子は速度がゼロになる直前が最も生体組織にダメージを与えられるため、治療では体内のがんの位置でちょうど停止するように設定することで健康な組織へのダメージは小さく、がん領域へのダメージは大きくできるといわれている。
  • 4.電磁レンズ
    電磁石や電場を使ったビーム制御技術で、イオンビームの直径を絞る(集束させる)ときなどに使われる。ただし、イオンの発生方法によっては、ある程度の太さまでしか絞ることができない。
  • 5.ピンホール
    細い穴のこと。イオンビームを細く切り出す手段として用いることがあり、ピンホールの直径程度の細いビームが得られる。低速多価イオンをピンホールに通してビームとして取り出そうとすると、その反応性の高さゆえに穴の内側の表面から電子を奪い、ピンホールをくぐり抜けてきたときには、多くが多価イオンでなくなる場合がある。
  • 6.マイクロビーム
    大きな直径を持つイオンビームを絞ったり切り出したりすることによって作られた、直径が1μm程度のビームのこと。ガラスキャピラリーによるマイクロビーム化は、2003年に高知工科大学のグループがイオンビームで初めて報告し、2006年に理研山崎原子物理研究室のグループが低速多価イオンのガラスキャピラリー通過を示した。マイクロビーム化されたビームの強度が、1秒間に数万個程度以下であれば、1個ずつイオンを数えるが、1秒間に数千万個以上あるときは、電流として測定する。単位は電流の単位アンペアを用いる。電流値100ピコアンペア(pA、1pAは1兆分の1アンペア)の8価のアルゴンイオンビームには、毎秒約7,800万個のAr8+が含まれる。
  • 7.自己組織化帯電現象
    自己組織化とは、分子や粒子など集団を構成するものが隣同士との力関係に基づいて振る舞った結果、集団としてある規則的なパターンが現れたり、特別な機能が生じたりすることをいう。雪の結晶や、ミツバチの巣でみられる正六角形の連続模様などが当てはまる。本研究では、低速多価イオンビームによって生成された静電気(帯電)自身が、うまく多価イオンがキャピラリー内を通過できるように、その分布を自ら構築していく現象を自己組織化帯電現象と呼ぶ。
  • 8.機械式リレー
    リレーは継電器とも呼ばれる。オンとオフの情報を電気信号として送り、その信号に応じて電気回路をつないだり、切り離したりする電気部品。機械式リレーは、オン/オフ情報で電磁石をオン/オフさせ、接点が機械的に移動して回路をつないだり、切り離したりする。機械式の接点を持たない半導体リレーと違い、高電圧がかかる用途に適している。
先端の穴の直径が1μm以下のサイズのガラスキャピラリー(サブミクロンキャピラリー)の図

図1 先端の穴の直径が1μm以下のサイズのガラスキャピラリー(サブミクロンキャピラリー)

ガラスキャピラリーに低速多価イオンビームを通過させるときは、先端の穴をビーム出口として使う。右側の写真は出口付近を拡大したもの。出口径の直径は0.75μm(=750nm)で、髪の毛の直径の約100分の1に相当する。

ガラスキャピラリー内壁の静電気とイオンの軌跡の図

図2 ガラスキャピラリー内壁の静電気とイオンの軌跡

ガラスキャピラリー内壁にたまった静電気を赤色で示した。静電気が強過ぎると、ビームはキャピラリー内部で大きく曲げられ内壁に大きな角度で衝突し、出口まで到達できない。

2段構えの構成のガラスキャピラリーの図

図3 2段構えの構成のガラスキャピラリー

4-電極キャピラリーはガラスさやの中に入っており、ガラスさやの先端がサブミクロンキャピラリーを取り付けるソケットにもなっている。通過イオン位置検出器を使って、通過イオンが到達できる位置に来た多価イオンのみを計数し、無関係な粒子は計数から除外した。4-電極キャピラリーにあるすき間は、塗布電極が塗られていない部分。

機械式リレーによる静電気の放電の図

図4 機械式リレーによる静電気の放電

機械式リレーを使用すると、内壁上の静電気の強さは適切に保たれ、低速多価イオンビームの通過をほとんど妨げない。図中の回路図では、スイッチが一瞬作動して静電気が矢印の方向のアースに逃げていく様子を示している。

低速多価イオンビームの機械式リレーによる安定効果の図

図5 低速多価イオンビームの機械式リレーによる安定効果

  • A.2段構えのガラスキャピラリーでマイクロビーム化された低速多価イオンビーム強度。出口径が750nmのサブミクロンキャピラリーを通過した低速多価イオンを1個ずつ数え、1秒当たりの通過個数を毎秒記録したグラフ(長時間測定の一部)。白と緑のゾーンのうち、白ゾーンでは機械式リレーを使わなかった。すると通過イオン数は徐々に減少し、ふたたび機械式リレーを使い始めると(3,350秒付近)すぐに通過イオン数が復活した。
  • B.機械式リレーを使った場合のビーム供給の安定性を示したグラフ。出口径が180μmの4-電極キャピラリーでビーム供給の安定性を調べた。Aと同様、緑ゾーンは機械式リレーを使ったときに通過するイオンビームの電流値(通過イオン数に比例する)を測定した結果で、緑ゾーン内では安定なビーム供給ができていることを示している。途中、950秒付近で1度だけ機械式リレーを使ったところ、100ピコアンペア(pA、1兆分の1アンペア)程度まで復活したが、その後の300秒ほどで電流値が低下していることから、ビーム供給が不安定であることが分かる。

Top