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2019年11月29日

量子科学技術研究開発機構
宇都宮大学
東京大学
早稲田大学
東北大学
理化学研究所
高輝度光科学研究センター

超短パルス軟X線レーザー特有の表面加工メカニズムを解明

-ナノスケールの超精密・直接加工が可能に!-

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長:平野俊夫)量子ビーム科学部門関西光科学研究所のヂン・タンフン主任研究員、石野雅彦主幹研究員、錦野将元グループリーダー、国立大学法人宇都宮大学(学長:石田朋靖)学術院(工学部)の東口武史教授、国立大学法人東京大学(総長:五神真)大学院工学系研究科附属光量子科学研究センターの坂上和之主幹研究員、早稲田大学(総長:田中愛治)理工学術院の鷲尾方一教授、国立大学法人東北大学(総長:大野英男)多元物質科学研究所の羽多野忠助教、国立研究開発法人理化学研究所(理事長:松本紘)放射光科学研究センターの大和田成起研究員(当時)、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)(理事長:雨宮慶幸)の犬伏雄一主幹研究員らの研究グループは、X線自由電子レーザー「SACLA」を用いて超短パルス軟X線レーザーに特有の表面加工メカニズムを解明しました。

現在、ナノメートルスケールの半導体造形技術は複雑な工程からなるリソグラフィプロセスによって実現されています。将来の量産化や低価格化を実現するためには、より単純な直接加工プロセスを用いた精密加工技術による高い量産性と品質の実現が鍵となります。従来用いられている赤外領域(波長:800~1000nm程度)に比べて波長の短い極端紫外(EUV)~軟X線領域(波長:10~200nm程度)の超短パルスレーザーを用いると、波長と同等の超精密加工が可能になると期待されています。また、パルス幅が数十~数百フェムト秒である超短パルスレーザーを用いることで、加工領域以外への熱的影響を抑制した非熱的加工が実現可能となります。

得られた実験結果を軟X線エネルギーの吸収による原子と電子の振る舞いを組み込んだ理論モデル計算と比較した結果、照射レーザーの波長や照射強度を材料に応じて適切に選択することで、シリコンだけでなくさまざまな材料で熱的影響を抑制した超精密加工が実現できる可能性を明らかにしました。今後、さまざまな材料を用いた超短パルス軟X線レーザーによる加工データの蓄積と検証を積み重ねることで、レーザー加工学理の解明が進み、高集積回路やナノ構造をもつ機能性材料の量産化につながると期待されます。

詳細は量子科学技術研究開発機構のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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