1. Home
  2. 研究成果(プレスリリース)
  3. 研究成果(プレスリリース)2020

2020年4月23日

東京大学
神戸大学
理化学研究所

細胞の職業選択を決めるスイッチの発見

私たち人間は社会生活において、さまざまに職業選択をおこないます。同様に、私たちの体を構成する細胞たちも「職業を選択」し、それぞれの役割・機能を発揮しています。植物において物質の輸送を担う維管束は、さまざまな細胞から構成されますが、細胞たちがどのようにしてこれら多様な維管束細胞へと「就職していく」のかその仕組みはわかっていませんでした。

神戸大学大学院理学研究科(研究当時:東京大学大学院理学系研究科)の近藤侑貴准教授らの研究グループは、葉の細胞から維管束細胞を作り出す培養系"VISUAL"を改良し、これまで誘導できなかった篩部伴細胞の誘導にはじめて成功し、これを"VISUAL-CC"と名付けました。"VISUAL-CC"を活用することで、GSK3と呼ばれるタンパク質リン酸化酵素が篩管細胞と篩部伴細胞の運命を切り替えるスイッチとして機能し、両者の細胞の割合を決めていることを発見しました。

社会活動においても、それぞれの職業人口のバランスが極めて重要となってきます。植物においては、GSK3が運命スイッチとして維管束における複数タイプの細胞の数のバランスを制御していることがわかりました。今後はそれらの知見を活かし、維管束を構成するパーツを自在に作り出すことができるようになると期待されます。

詳細は東京大学 大学院理学系研究科・理学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
お問い合わせフォーム

Top