2020年9月9日
名古屋大学
理化学研究所
グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社
専門知識と機械学習を融合した最適化手法
-最適な成膜条件により生産効率を約2倍に-
名古屋大学未来材料・システム研究所の長田 圭一(当時大学院生)、宇治原 徹教授、理化学研究所革新知能統合研究センターの沓掛 健太朗研究員およびグローバルウェーハズ・ジャパン株式会社の共同研究グループは、逐次最適化のための機械学習手法であるベイズ最適化を、化学気相成長法(CVD法)によるエピタキシャルSi膜の成長プロセス条件の最適化へ応用することにより、成膜品質を維持しながら、成長速度を約2倍に高めることに成功しました。
材料分野の製造現場では、製造プロセスの条件検討が欠かせませんが、目的とする材料特性値そのものに加えて、限られた実験回数や特性評価に要する時間・コスト、装置エラーが発生する条件など、考慮すべき要素が多くあります。本研究で開発した最適化手法は、ベイズ最適化をベースに、考慮すべき要素に基づいた複数の制約を、状況に応じて適応的に用いる方法です。さらに、ベイズ最適化による大域的な最適化と、プロセスエンジニアの専門的な知識・経験を生かした局所的な最適化を組み合わせることで、3か月の非常に短い開発期間の中でも12個という多数のプロセス条件パラメータの最良な組み合わせを見い出すことに成功しました。この最適化手法は、本研究対象のCVD法に限らず、様々な材料プロセスに応用可能で、製造プロセス開発の有効化・効率化に貢献する方法です。
詳細は名古屋大学の報道発表資料をご覧ください。
報道担当
理化学研究所 広報室 報道担当
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