スタートアップ支援
理研では1998年来、研究成果の社会実装による科学技術・イノベーションの創出の活性化を図るため、理研ベンチャー認定・支援制度の下、一定審査を経た企業群(理研ベンチャー)を認定・支援してまいりました。しかし、スタートアップ黎明期においては意義のあった理研ベンチャー認定・支援制度ですが、スタートアップが増大、多様化する現代においては、研究者自身がスタートアップを考えること、研究者以外のステークホルダーが理研の研究成果にアプローチすることの双方を効果的に促進することが重要と考え、「見える化」の方針の下、2023年12月よりスタートアップ支援策を強化しつつ、幅広く開放することとしています。
スタートアップ支援強化への取組み・方針
- ※支援策は順次開放予定
支援対象の拡大(支援の開放化)
これまで理研ベンチャー認定企業のみとされていた支援対象を、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の趣旨に基づき、理研の研究成果を活用する未上場企業(原則設立10年未満)のうち、次に掲げるいずれかにあてはまる企業にまで拡大し、理研ベンチャーの認定が無くとも支援を受けることを可能としました。
- 1.研究所から生じた研究成果の事業化を自ら行う、あるいは自ら行う予定にある企業
- 2.研究所と実施した共同研究から生じた研究成果の事業化を自ら行う、あるいは自ら行う予定にある企業
- 3.その他、研究所が支援対象として適切と認める企業
- ※理化学研究所では、2023年12月以降、「理研発スタートアップ」として認定したり、名称を付与することはいたしません。そのため、理研発スタートアップや類似の名称を名乗る企業があっても、理化学研究所の関知・認定するところではなく、広報媒体等でそのような名称が用いられたとしても、理化学研究所はコメントする立場にございません。(現在認定中の理研ベンチャーについては、理研ベンチャー紹介のページを参照ください。)
- 理研ベンチャー制度
スタートアップに対する全体的な支援を拡充したことに伴い、2023年12月1日をもって理研ベンチャーの新規認定は終了しております。
新株予約権支払対象範囲の拡大
これまで対象範囲が限定的であった新株予約権による支払いの対象範囲を拡大します。
基本的な考え方
- 支援要件
- 成果活用事業者による理研の成果活用事業の有望性が高いと認められること。
- 現金による支払いを免除/軽減することが、成果活用事業者の経営の加速に特に必要と認められること。
- 新株予約権の行使価格は、創業時の株価の原則3倍以下とします。
- 理研が追加キャッシュアウトするものは、原則として実費又は実費相当額を徴収します(例:光熱水料等)
- 支援期間は、スタートアップが行う事業の成長発展を図るために必要な期間とします。
支援オプション
- 1.ライセンス(5年を基本に延長可)
- ①ライセンス対価の全額を新株予約権で支払い
契約時に全額を新株予約権で支払い(発行済株式総数の【5% ±1%】)。発明者全員の同意が条件です。
実施契約書雛形 - ②ライセンス対価のうち契約一時金を新株予約権で支払い
契約一時金を新株予約権(発行済株式総数の【3%±1%】)、経常実施料、マイルストン料等を現金で支払い。 - ③ライセンス対価全額を現金で支払い
必要な場合は、契約条件において成果活用事業者の資力その他の事情を勘案します。
- ①ライセンス対価の全額を新株予約権で支払い
- 2.所属ラボの施設・設備の利用
施設・設備の利用頻度や簿価等を考慮しつつ、発行済株式総数の0.5%の新株予約権を基本として上限1%と設定します。未稼働の時間での利用が前提です。
兼業の扱いの明確化・透明化
研究者等の理研発スタートアップへの兼業は、一定の条件の下、技術担当役員(CTO)など代表権を有しない役員への就任や発起人となることを認めることを基本的考え方とします。
特許権実施の明確化・透明化
これまでは、原則、通常実施権(独占的を含む)の許諾としていたライセンスの実施形態の選択肢に専用実施権の設定を追加します。
先端的施設・設備・機器(設備等)の利用機会拡大
理研の先端的な設備等の利用機会を抜本的に拡大していきます。