プロジェクト報告-科学道100冊フェア-
2017年にはじまった「科学道100冊プロジェクト」では、書店や図書館、学校などの枠組みを超えたフェアを開催しました。毎年約500カ所でフェアを実施し、全国に「科学道100冊」の輪が広がりました。2024年まで実施された「科学道100冊フェア」、その実績を紹介します。
科学道100冊 2017

科学者の思考プロセスを6つのステージで取り出して、100冊の本とともに案内しました。
テーマ:①はじまりは疑問、②果てしない収集、③導かれたルール、④めくるめく失敗、⑤まるで魔法、⑥未来のはじまり
- 実施期間:2017年2月~2018年3月
- フェア実施数:全国428カ所(教育機関89校、図書館193館、書店146店)
- 「科学道100冊 2017」ブックレット
科学道100冊 2017フェア開催の様子
開催団体の声
- 科学道100冊のセットを3つ導入し、本棚を廊下に設置しました。毎朝読書タイムをもうけていますが、生徒たちが自主的に手をとり、興味深く読んでいます(東京都・中学校)
- 若い世代に対して、知る喜び・あきらめない強さを感じとってもらえる内容となっていると思いました。ブックレットを全校生徒に配布します(北海道・中学校)
- 学生に、自然科学への好奇心をかきたてるフェアだと思います。関心を持っている生徒にはより興味をもたせ、敬遠している生徒にはこんな本がある、と手に取るきっかけになればよいと思っています。またコース制開始に伴い、進路選択に役立てたいと思っています(静岡県・高校)
※ 別途、理研の100周年記念室から全国のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)校、約200校に科学道100冊のセットを寄贈しています。
科学道100冊 ジュニア

幼児から小学生、中学生の子どもに向け、科学の入り口となる100冊を紹介しました。
テーマ:①不思議がいっぱい、②とことん集める、③世界のヒミツ、④ふみだせ冒険、⑤まほうの発明、⑥ひろがる未来
- 実施期間:2017年10月~2018年3月
- フェア実施数:全国757カ所(教育機関138校、図書館251館、書店368店)
- 「科学道100冊 ジュニア」ブックレット
科学道100冊 ジュニアフェア開催の様子
開催団体の声
- 普段あまり理科系の本を手にしない子が、友達と仲良く本を読みながら、お互いの発見を話していたり、教えあったりしている姿をよく見かけました(東京都・小学校)
- 司書では思いつけないような意外な本もあり、大変面白く感じました。また、授業でも使いたいという要望があり、図書館活用に繋がりました(鳥取県・中学校)
- 主体的な学び、対話的な学びの基であるラーニングコモンズの素地を育む良い機会にもなりました。公立図書館と連携しながら、機会を捉えて専門家のご提案と共に面白い科学の本が集結することは子ども達にとって非常に意義のあることだと考えます(東京都・中学校)
科学道100冊 2019

2019年度から、毎年恒例の企画としてリスタート。3つのトピックで選んだ「テーマ本」50冊と、時代を経ても古びない良書として選んだ「科学道クラシックス」50冊で構成されています。
テーマ:①元素ハンター、②美しき数学、③科学する女性
- 実施期間:2019年9月~2020年3月
- フェア実施数:全国447カ所(教育機関194校、図書館211館、書店33店、その他9団体)
- 「科学道100冊 2019」ブックレット
科学道100冊 2019フェア開催の様子
開催団体の声
- 生徒が科学の本と出会う良い機会になりました。司書はどうしても発想が文系に偏りがちなので、展示の上でも選書の面でもありがたいです。専門家が選んだ本ということで安心感がありますし、POPや小冊子が豪華で見栄えがするのも魅力的です(長野県・高校)
- 自分が文系学部出身なこともあり、自然科学分野の本の選書は難しく感じています。このように学術機関で本を推薦してくださるのはとても有難いですし、展示も手軽にできるので大変助かりました(愛知県・中学高校)
科学道100冊 2020

テーマ:①驚異のカラダ、②宇宙フロンティア、③世界を変えた科学者
- 実施期間:2020年9月~2021年3月
- フェア実施数:全国500カ所(教育機関210校、図書館253館、書店21店、その他16団体)
- 「科学道100冊 2020」ブックレット
科学道100冊 2020フェア開催の様子
開催団体の声
- 本企画を通じ、理数科や理系生徒の利用頻度が高まったと感じています。「本屋で見つけて読みたかったやつ!」と言ってすぐに借りていく生徒もおり、その日のうちに何冊か貸出もあって良い感じでした(埼玉県・高校)
- 興味を持った本のポップを自主的に作って持って来た生徒がいるなど、科学道100冊として展示することで、なかなか普段は手にしない本に興味を持ち、読んでみようかなという生徒が増えました(兵庫県・高校)
- コロナ禍のなか学校生活も窮屈になりがちでしたが、生徒の知的好奇心を刺激しつつ現在の状況への問題提起や、気分転換も図れたのではないかと感じています。生徒の反応や先生方の反応を見ると参加して良かったと感じました(沖縄県・中学校)
科学道100冊 2021

テーマ:①未来エンジニアリング、②脳とココロ、③つながる地球
- 実施期間:2021年11月~2022年3月
- フェア実施数:全国500カ所(教育機関204校、図書館260館、書店29店、その他7団体)
- 「科学道100冊 2021」ブックレット
科学道100冊 2021フェア開催の様子
開催団体の声
- コロナ禍で館内での会話が禁止となっていますが、科学道100冊の展示のおかげでこのエリアに少し明るい雰囲気が戻ったように感じています。専門家の目で選ばれた科学の良書は学生にも好評で、ブックレットもよく手に取られています(長崎県・大学図書館)
- 中学生には、少し難しそうな本も多いですが、今年のテーマ本では、「スマホ脳」や「風の谷のナウシカ」などの本を借りて行く生徒がいました。展開ツールがかわいいのでいろいろ見て回ってくれています(奈良県・中学校)
- 科学関係の幅広い良書が一気に展開できるのが何よりも嬉しいです。図書館としてなかなか探すのが難しいと感じていましたが、いつも素晴らしい本をご紹介くださり感謝しております。科学好きの生徒が、嬉々として本を眺め、手に取り借りて行きます。毎回、科学道の100冊を楽しみにしております(東京都・高校)
科学道100冊 2022

テーマ:①情報の世紀、②光を追いかけて、③科学史タイムトラベル
- 実施期間:2021年11月~2022年3月
- フェア実施数:全国486カ所(公共図書館241校、学校図書館179館、大学図書館29館、書店29店、その他8団体)
- 「科学道100冊 2022」ブックレット
科学道100冊 2022フェア開催の様子
開催団体の声
- 一つのコーナーにすることで、科学が好きな生徒はもちろん、科学が苦手な生徒にも見てもらえています。「科学道」の本には、専門的な本から入門書のような本まで多種多様な本が揃えられているので、今回をきっかけに科学に関する本をたくさん読んでほしいです(兵庫県・高校)
- 様々なジャンルの本をそろえたいと思っていますので、視野広く本を紹介していただけるのが嬉しいです。いわゆる理系の良書のみならず、広義のサイエンスの関連書、科学って面白いと思える本を紹介していただいていると思っています(京都府・高校)
- 提供いただいた展開ツールにより、華やかな雰囲気の展示ができました。展示資料も、図書館職員が選書して行う通常の展示とは違った視点でのラインナップで、今後の展示の参考にさせていただきたいと思います(大分県・大学)
科学道100冊 傑作選

理研が選ぶ「時代を経ても古びない良書100冊」。理研の研究者や職員にアンケートをして選出した、決定版のラインナップです。2019年に選定した科学道100冊クラシックス(50冊)をベースに選びなおしました。
- 実施期間:2023年11月~2024年3月
- フェア実施数:790カ所
開催団体の声
- 2018年以降毎年参加をしています。理系学生には心待ちな企画でたくさん借りられます。親しみやすいので文系学生もよく手に取っています。傑作選ということで過去の小冊子を持っていく学生も多かったです。科学分野の名著が集まりとても勉強になり、図書館職員も毎年楽しみにしています(静岡県・大学附属図書館)
- 毎年フェアに参加しています。その年度に入った1年生が興味を持ってブックレットを見てくれます。とても良い取り組みで、続けてほしいと思います。(東京都・中学高校)
- 普段なかなか手に取ってもらえないような本も、科学道100冊傑作選として展示したことで、中高生だけでなく幅広い年齢の多くの方に読んでいただけました。配布用のブックレットも全部なくなってしまい、とても好評でした(山梨県・公立図書館)
- 他にはない個性的で可愛らしいデザインの為、目を引いて本を取るきっかけとなり、貸出に繋がっています。児童・一般も混ぜた選書なので老若男女問わず、特集コーナーの利用が増えて嬉しいです(愛知県・公立図書館)
フェア用ダウンロードデータのご案内
以下からダウンロードして飾りや書棚の展示等にご使用ください。