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2009年7月23日

独立行政法人理化学研究所
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング

「ヒトiPS細胞を用いた網膜再生医療実現のための共同研究」に関する(独)理化学研究所と(株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングとの提携のお知らせ

7月23日、独立行政法人理化学研究所(以下、理研)と株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、J-TEC)とは、ヒトiPS細胞を用いた網膜再生医療実現のための共同研究を進めることについて覚書を締結しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

経緯

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究チーム(以下、研究チーム)は、ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)から網膜のさまざまな細胞を作製し、網膜再生に資する研究を進めております。その成果により、加齢黄斑変性等の網膜疾患に対し、治療法確立の可能性が示唆されております。

加齢黄斑変性は、欧米では高齢者の視力低下原因の一位を占め、わが国でも増加している疾患です。加齢黄斑変性の治療には、網膜色素上皮細胞と呼ばれる細胞の移植が効果的であることが示唆されていました。しかし、患者自身の網膜色素上皮細胞の採取と培養が困難であること、他人の細胞では免疫拒絶されることから、従来の再生医療技術での治療は難しいといわれています。研究チームが開発したiPS細胞から作製した網膜色素上皮細胞は、上記の課題を克服できると期待されます。

一方、J-TECは、患者自身の細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品として、自家培養表皮ジェイスの製造販売承認を取得し、さらに自家培養軟骨、自家培養角膜上皮の開発も進めております。

研究チームは、世界に先駆けてiPS細胞を用いた再生医療を実現するにあたり、J-TECに対し、これまで培ってきた再生医療製品開発技術ならびに品質管理技術等の実績をふまえ、開発協力の依頼を行いました。J-TECは、開発協力によりわが国の再生医療のさらなる発展に寄与したいと考え、本覚書締結に至りました。

覚書の内容

理研及びJ-TECは、世界初となるヒトiPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性の治療の実現に必要不可欠な「ヒトiPS細胞由来網膜色素上皮細胞培養プロトコルの開発」について、3年から5年以内に達成することを目標とします。

実用化への道のり

上記プロトコルの開発完了後、医療機関において臨床研究がおこなわれ、その結果が検証されたのち、本格的な実用化へ向けての検討が開始されます。

なお、本件の進捗状況は、法令ならびに規制等の状況により影響を受ける可能性があります。

理研の担当チーム

独立行政法人理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 網膜再生医療研究チーム
チームリーダー 高橋 政代
兵庫県神戸市中央区港島南町2-2-3

お問い合わせ先

独立行政法人理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 網膜再生医療研究チーム
チームリーダー 高橋 政代(たかはし まさよ)
Tel: 078-306-3305 / Fax: 078-306-3303

研究推進部 企画課
Tel: 078-306-3008 / Fax: 078-306-3039

株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
営管理部総務課 PIR担当 榊原規生(さかきばら のりお)
Tel: 0533-66-2020 / Fax: 0533-66-2019

報道担当

独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715

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