理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター 機能性ゲノム解析部門と沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、11月30日と12月1日の2日間にわたり、国際的なプロジェクトであるHuman Cell Atlas会議をアジアでは初となる沖縄で開催しました。
Human Cell Atlas(HCA)は「ヒト細胞地図(アトラス)計画」とも呼ばれ、ヒトの体を構成する約37兆個の細胞全ての分類とマッピングを目指す国際共同プロジェクトです。理研は、サンガー研究所(Wellcome Trust and Sanger Institute)、ブロード研究所(Broad Institute)、カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)と共に本プロジェクトの中核機関と位置づけられています。
理研には、一細胞レベルのトランスクリプトーム解析の推進に加え、アジアにおける本プロジェクトの拠点となり、研究者コミュニティをリードする役割が期待されています。その第一弾となる今回の会議では、アジア4カ国(日本、韓国、インド、シンガポール)より一細胞研究に関わる研究者54名が集まり、HCAの現状・および展望について意見交換を行いました。セッションは、「Imaging technologies」、「Single cell genomics technologies」、「Cancer biology」、「Stem cells/Ageing」に分かれ、日本からは東京大学、京都大学、金沢大学、名古屋大学、OISTなどで理研の一細胞プロジェクトに参画している研究者が中心となり参加しました。一細胞ゲノム解析などをテーマに各国を代表する研究機関の参加者と活発な意見交換が行われ、ミーティングの後半では「Establishing HCA Asia Network」と題して、今後のHCAをアジアでどのように展開していくか議論されました。