
『理研ニュース』2019年4月号、本日発行しました!
今月の「研究最前線」は、ヒトのゲノム解析を乳がん治療などの医療へとつなげる研究と、生物細胞に含まれるタンパク質の構造を調べる新しい解析技術の2つを紹介。ゲノムとタンパク質から生命の本質に迫ります。
ヒトが持つゲノム(全遺伝情報)は、一人一人、およそ0.1%ずつ異なっています。その違いが、容姿や性格などの個性となっていると同時に、病気のかかりやすさや薬のききやすさをも左右していることが分かってきました。研究チームが注目したのは、「病的バリアント」という、それ一つで病気の直接的な原因となる遺伝子の変異です。近年劇的に進歩したゲノム解析技術を駆使し、日本人の乳がんに関わる病的バリアントのデータベースを構築。そこから示唆されるゲノム医療の可能性とは?
イノシシ、シカ、クマにヘビ……?ユニークな名前が並ぶ「ZOOシステム」は、生物の細胞を構成するタンパク質の構造解析を自動で行うために開発されました。それを可能にしたのは、大型放射光施設SPring-8で実用化された微小なX線ビーム。しかし、そのビームで数μmレベルの微小なタンパク質結晶を観察するには、さまざまな工夫と高い技術、そして相当の根気を要します。こんな面倒なスキームは「もう自動化するしかない」!チームの挑戦が世界に二つとないシステムを生み出しました。
ぜひご覧ください!
目次
- 研究最前線
ゲノム医療に貢献する大規模なゲノム解析
「ZOOシステム」がタンパク質X線結晶構造解析を変える - 特集
多様な人材で高める理研の科学力 - FACE
原子核反応を利用して非破壊検査を行う研究者 - SPOT NEWS
人工硬膜「デュラビーム®」と心膜シート「ペリビーム®」
性ホルモン産生酵素が個人の攻撃性、協調性に関連 - TOPICS
理研-マックス・プランク協会事務交流報告
新研究室主宰者の紹介 - 原酒
前途羊々