日本で唯一の自然科学の総合研究所である理化学研究所(理研)[1]と本の可能性を追求する編集工学研究所[2]による科学道100冊プロジェクト[3]。書籍を通じて、科学者の生き方や考え方、科学のおもしろさや素晴らしさを届けることを目指し、選りすぐりの本を紹介しています。このたび、2020年度版「科学道100冊 2020」を発表します。
2017年にはじまった科学道100冊プロジェクトは、全国の書店・図書館・教育機関などでフェアが展開され、多くの人たちに科学の良書との出会いを演出してきました。たいへんご好評をいただき、2019年からは中学生・高校生を中心とした幅広い層に対して、科学の多様な魅力を継続的に伝えるべく、毎年恒例の企画としてリスタートしました。
「科学道100冊 2019」は、全国約450か所の図書館・教育機関などで展開され、さまざまなメディアに取り上げられました。
今回発表する「科学道100冊 2020」は昨年と同様、旬のトピックなど三つの軸で選んだ「テーマ本」50冊と、時代を経ても古びない良書として選んだ「科学道クラシックス」50冊の計100冊で構成されています。
2020のテーマは、"驚異のカラダ""宇宙フロンティア""世界を変えた科学者"の三つです。各テーマに精通した理研の研究者が選書アドバイザーを担い、アドバイスをもとに「テーマ本」50冊を選書しました。"驚異のカラダ"では、いま読みたい、免疫や感染症に関する本も紹介しています。
新型コロナウイルスの影響下において科学の重要性は増し、教育もリモートに切り替わるなかで読書が見直されています。本プロジェクトが、中高生が科学に興味を持つきっかけになれば幸いです。
「科学道100冊2020」は申し込みいただいた全国の公共図書館、教育機関(中学校、高等学校など)、一部の大型書店で9月19日から順次展開していきます。なお、発表日現在も申し込み受け付け中ですので、ご希望の団体は「科学道100冊」特設サイトからお申し込みください。
また、12月18日にオンラインイベント「科学道100冊 2020―今知りたい、ウイルスと免疫の話」(仮称)を開催する予定です。
構成
テーマ本(50冊)
今が旬な科学トピックなど、三つの軸で選出。毎年異なる角度で本を選び、科学の多様な面白さを伝えます。
- "驚異のカラダ"(18冊)
ウイルスやテクノロジーを通じて見ると改めて気づく私たちのカラダの不思議。骨格系、消化器系、呼吸器系、免疫系……さまざまなシステムから成り立つ人体の精巧さ、賢さ、ヘンテコさに驚く18冊。 - "宇宙フロンティア"(16冊)
太古から見上げてきた宇宙に人類は今、進出しようとしている。我々は何を知り、どこまで行けるのだろう。果てしなく広がる宇宙の地平にロマンを感じる16冊。 - "世界を変えた科学者"(16冊)
多くの科学者たちの失敗と成功の積み重ねで、人類は進歩してきた。大発見・大発明により世界を変えた科学者たちに学ぶ16冊。
科学道クラシックス(50冊)
時代を経ても古びない良書として選んだ時、オールタイム・ベスト50。2019年に選出し、2020年度も引き続き、同じ本をお薦めしています。
- ※ラインナップはブックレットまたは「科学道100冊」特設サイト参照。
「科学道100冊 2020」によせて
参考リンク : 科学道100冊
テーマ本 選書アドバイザー(理研)
- 驚異のカラダ
- 下田 真吾(脳神経科学研究センター 知能行動制御連携ユニット ユニットリーダー)
檜山 敦(革新知能統合研究センター 目的指向基盤技術グループ 医用機械知能チーム 客員研究員)
村山 正宜(脳神経科学研究センター 触知覚生理学研究チーム チームリーダー)
渡辺 恭良(生命機能科学研究センター 健康・病態科学研究チーム チームリーダー) - 宇宙フロンティア
- 伊藤 裕貴(開拓研究本部 長瀧天体ビッグバン研究室 研究員)
榎戸 輝揚(開拓研究本部 榎戸極限自然現象理研白眉研究チーム 理研白眉研究チームリーダー)
坂井 南美(開拓研究本部 坂井星・惑星形成研究室 主任研究員)
横倉 祐貴(数理創造プログラム 上級研究員) - 世界を変えた科学者
- 桜田 一洋(科技ハブ産連本部 医科学イノベーションハブ推進プログラム 副プログラムディレクター)
篠崎 一雄(環境資源科学研究センター 機能開発研究グループ グループディレクター)
永長 直人(創発物性科学研究センター 強相関理論研究グループ グループディレクター)
原山 優子(理事)
- ※五十音順
展開
展開場所
9月19日(土)から順次、全国の公共図書館、教育機関(中学校、高校など)、一部大型書店で、科学道100冊2020のフェアを展開します。
9月19日に展開を開始する書店
八重洲ブックセンター 本店/ジュンク堂書店 池袋本店/三省堂書店 神保町本店/紀伊國屋書店 横浜店
- ※発表日現在も引き続き申し込みを受け付けています。ご希望の団体は「科学道100冊」特設サイトからお申し込みください。
トークイベント
「科学道100冊 2020 ―今知りたい、ウイルスと免疫の話」(仮称)」
- 日時
- 12月18日(金)18:00分~19:30分(予定)
- 形式
- オンラインイベント
- 登壇者
- 調整中
- 内容
- 「科学道100冊 2020」のテーマの一つ"驚異のカラダ"より、「ウイルス」「免疫」の専門家にお話いただきます。
- ※日程、内容などは変更される場合があります。詳細はあらためてお知らせいたします。
補足説明
- 1.理化学研究所(理研)
日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学など幅広い分野で先導的な研究を推進すると同時に、わが国の産業発展のための研究開発や成果普及も積極的に進めている。 - 2.編集工学研究所
所長・松岡正剛のもと編集工学を活用した企画・開発事業を展開。書棚空間のプロデュース、選書事業など幅広く手がける。 - 3.科学道100冊プロジェクト
理研では、先達がどのように科学に向き合ってきたかをなぞりながら、理研を一言で言い表すには、どのような言葉がふさわしいか議論を重ねてきた。そして、これまで多くの科学者たちが科学の力を信じ、社会への貢献を胸に、科学の道を歩んできたことから「科学道」という言葉をつくった。理研創立100周年となる2017年、理化学研究所と編集工学研究所は「科学道」というコンセプトを社会と共有するため「科学道100冊」プロジェクトを開始。
2017年2月に第1弾の「科学道100冊」を発表。選書テーマは「知りたい気持ちから未来をひらく、科学者たちの見方・生き方・考え方。その思考のプロセスを六つのテーマで取り出した、前に進みたいすべての人に贈る、勇気と方法の『科学道100冊』」。
続いて2017年9月、第2 弾となる「科学道100冊ジュニア」を発表。子どもたちがワクワクしながら科学に親しめる100 冊をテーマに選定。
そして2019年9月、中学生・高校生を中心とした幅広い層に科学の魅力をより多面的かつ継続的に伝えるべく、毎年恒例の企画としてリスタート。1年目の「科学道100冊2019」は"元素ハンター""美しき数学""科学する女性"をテーマとした50冊と「科学道クラシックス」50冊を選出。
問い合わせ先
理化学研究所 広報室 ブランディング担当
Email: riken_branding [at] riken.jp
編集工学研究所 科学道100冊担当
Email: info [at] kagakudo100.jp
※上記の[at]は@に置き換えてください。
機関窓口
理化学研究所 広報室 報道担当
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