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2021年11月29日

大阪大学
理化学研究所

難治性甲状腺がんに対する医師主導治験を開始

-アスタチンを用いた新しい標的アルファ線治療-

大阪大学 大学院医学系研究科の渡部直史助教(核医学)らの研究グループは、難治性分化型甲状腺がんに対するアスタチン化ナトリウム([211At]NaAt)注射液の医師主導治験を開始します。

これまで、主に放射性ヨウ素(131I)を用いたベータ線治療が行われてきましたが、多くの転移を伴う患者さんでは十分な治療効果が得られないことがありました。一方、アスタチンはヨウ素によく似た性質を示す元素であるとともに、アルファ線と呼ばれるエネルギーの高い放射線を放出するため、より高い治療効果が期待されます。研究グループはこれまでの非臨床試験において、アスタチン化ナトリウム([211At]NaAt)注射液(治験成分記号:TAH-1005)の有効性と安全性を十分に検証しました。そのうえで、理化学研究所RIビームファクトリーで製造したアスタチン(原料)をもとに、大阪大学医学部附属病院において治験薬としての安定製造(院内製造)に成功しました。

この度、同病院の治験審査委員会等の承認、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の治験計画届出調査を経て、患者さんに対する医師主導治験を開始できることになりました。今後、治験の中でアルファ線治療薬アスタチンの安全性や薬物動態を確認すると共に、医薬品としての実用化を目指して、有効性の検証を行っていきます。

詳細は大阪大学医学系研究科・医学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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