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2023年3月28日

理化学研究所
住友化学株式会社
動物アレルギー検査株式会社
日本ゼオン株式会社
株式会社ユーグレナ

「産業界との融合的連携研究制度」2023年度4月新規研究チームの設置について

理化学研究所(理研)は、新規事業等を目指すうえで企業が抱える研究開発課題に対し、企業と理研の混成チームを理研内に設置して企業側の担当者をチームリーダーとして受け入れる「産業界との融合的連携研究制度[1]」において新たに4つの研究チームを2023年4月1日付で設置いたします。

同制度2022年度研究課題の募集注1)にもとづき、住友化学株式会社、動物アレルギー検査株式会社、日本ゼオン株式会社、株式会社ユーグレナからそれぞれ提案があった研究課題の採択を受けて研究チームが設置されるものです。研究チームの設置により、理研と企業の相互の研究力・技術シーズが融合し、社会的課題の解決に向けた製品の実用化を目指す研究開発を実施します。

新規研究チームの概要

新規研究チームでは、以下の採択課題にもとづいた研究開発を推進します。
(チーム紹介の並びは提案企業の社名の50音順です。)

研究チームの概要

「強相関材料環境デバイス研究チーム」(和光地区)
(Correlated-materials-based Ecological-device Laboratory)

提案企業
住友化学株式会社
チームリーダー
岡本 敏
採択課題名
強相関材料を用いた環境配慮デバイスの開発
研究概要
強相関材料の一つであるマルチフェロイックス物質は、強磁性と強誘電性という2つの性質を併せ持ち、その交差相関や電気磁気効果などの興味深い物理現象を示します。本チームでは同物質系を利用した超省電力で駆動可能な磁気メモリデバイスの実現に向けて原理探求と材料創成に取り組みます。また、理研によって理論、実験ともに研究が進展している「シフト電流」と呼ばれるバルク光起電力現象を利用した高効率の太陽電池、光センサーなどの光電変換デバイス用の材料開発にも取り組み、総合的に強相関材料を用いた環境配慮デバイスの社会実装に向けた原理検証と材料・デバイスの研究開発を推進します。
設置期間
2023年4月1日~2028年3月31日

「新興感染症ワクチン技術研究チーム 」(横浜地区)
(Emerging Infectious Disease Vaccine Technology Laboratory)

提案企業
動物アレルギー検査株式会社
チームリーダー
増田 健一
採択課題名
人獣共通の感染症および疾患に対するワクチン・免疫治療薬の開発
研究概要
理研と動物アレルギー検査株式会社で共同開発した抗体産生技術のmMAPは特殊な免疫細胞に刺激を与えて初期の感染防御力を高めるという独自アプローチによって感染症の予防だけでなく治療にも使えるという画期的なワクチン・免疫治療薬となることが期待されるものです。また、mMAPはウイルスの保存配列に反応する抗体を作ることが可能という特徴も有することから、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、高病原性鳥インフルエンザウイルス、デングウイルスなどが人獣共通感染症を引き起こす点も考慮し、本チームでは動物用薬も視野に入れて新たなパンデミックに備えたワクチン・免疫治療薬の技術基盤を構築と社会実装を目指します。
設置期間
2023年4月1日から2028年3月31日まで

「微生物ケミカル生産研究チーム」(横浜地区)
(Bio-chemical Production Laboratory)

提案企業
日本ゼオン株式会社
チームリーダー
谷地 義秀
採択課題名
化石資源由来化合物の微生物を用いたバイオ生産技術の開発
研究概要
本チームでは化石資源に依存する工業原料の生産プロセスからシフトして微生物を利用したバイオ生産に転換する新たな技術開発を展開します。
具体的には、これまで取り組んできたブタジエンやイソプレンといった合成ゴムなどの工業原料のバイオ生産の効率をさらに向上させる技術の開発、エンジニアプラスチックや香料などの工業原料を新たにバイオ生産に転換する技術開発の二点を主軸として、理研のバイオ生産技術と日本ゼオンの化学技術を融合させることでトータルの効率的プロセスを構築して社会実装に向けた技術開発を目指します。
設置期間
2023年4月1日~2028年3月31日

「藻類資源アップサイクル研究チーム」(横浜地区)
(Microalgae Resource Upcycling Research Laboratory)

提案企業
株式会社ユーグレナ
チームリーダー
鈴木 健吾
採択課題名
微細藻高付加価値化のための革新的技術開発
研究概要
微細藻類の一種であるユーグレナ(ミドリムシ)には多様な産業利用の可能性があります。理研と株式会社ユーグレナではこれまでユーグレナでの高効率のゲノム編集技術を確立し、その技術によって多くの有用なゲノム編集株を作製することで品種改良への活用の可能性を示してきました。本チームは、特に脂質や糖の生産に微細藻類を利用した際の抽出残渣への価値付与に着目し、多岐にわたる視点で複数の利用価値を有した品種改良種に関する研究開発を、ゲノム編集技術をさらに活用し推進することで、バイオ燃料の原料生産や食料生産の技術として社会実装を加速させ、持続可能な社会の構築に寄与すること目指します。
設置期間
2023年4月1日~2028年3月31日

補足説明

  • 1.産業界との融合的連携研究制度
    新規事業・製品化を目指すうえで企業が抱える研究開発課題に対し、企業と理研の研究力を融合して取り組むために企業・理研の混成チームを理研内に設置して、企業主導で課題解決に取り組む制度。形式知(特許や論文等)のみならず暗黙知(ノウハウ等)の移転も実現し、基礎的な研究成果を目に見える形で社会に還元し、日本の産業技術の新たな展開に貢献する。2004年度より「理研の研究成果を活用して実用化・製品化を目指す課題」を企業から公募し、採択課題を選定している。
    産業界との融合的連携研究制度

問い合わせ先・機関窓口

問い合わせ先

理化学研究所 科技ハブ産連本部 産業連携部 バトンゾーン研究推進課
Tel: 050-3500-5342
Email: yugorenkei [at] riken.jp

住友化学株式会社
Email: sumika-kouhou [at] ya.sumitomo-chem.co.jp
(コーポレートコミュニケーション部)

動物アレルギー検査株式会社
Tel: 042-770-9437
Email: info [at] aacl.co.jp

株式会社ユーグレナ
Email: press [at] euglena.jp
(コーポレートコミュニケーション課)

日本ゼオン株式会社
Tel: 044-276-3292
Email: Y.Yachi [at] zeon.co.jp

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報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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