理化学研究所（理研）は2023年3月27日、国産量子コンピュータのクラウド公開・利用開始にかかるお披露目会（以下、お披露目会）を産官学の関係者をお招きして開催し、研究紹介および量子コンピュータの実機見学を行いました。

お披露目会では最初に主催者である五神 真 理化学研究所 理事長が挨拶し、来賓として星野 剛士 内閣府副大臣（科学技術政策担当）、井出 庸生 文部科学副大臣からのご挨拶を頂き、林 芳正 衆議院議員（量子技術推進議員連盟会長）からお送りいただいたご祝電を披露しました。

また、以下の方々をはじめとした多数に方にご参加いただきました。

来賓

星野 剛士 内閣府副大臣（科学技術政策担当）
井出 庸生 文部科学副大臣
渡海 紀三朗 衆議院議員（量子技術推進議員連盟最高顧問）
大野 敬太郎 衆議院議員（量子技術推進議員連盟事務局長）
島田 太郎 一般社団法人量子技術による新産業創出協議会 代表理事
岡田 俊輔 一般社団法人量子技術による新産業創出協議会 実行委員長
楊 天任 株式会社 QunaSys CEO
高野 秀隆 株式会社長大 事業戦略推進統轄部クオンタム推進部長
松尾 泰樹 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局長
増子 宏 文部科学省 文部科学審議官
森 晃憲 文部科学省 研究振興局長

共同研究機関

北川 勝浩 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター長
根来 誠 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 副センター長
佐藤 信太郎 富士通株式会社 富士通研究所量子研究所長
寒川 哲臣 日本電信電話株式会社 先端技術総合研究所 基礎・先端研究プリンシパル
阪内 澄宇 日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所長

関係者のコメント

五神 真 理事長

このプロジェクトは産業界との共同開発によって実現しました。富士通をはじめ開発に参画いただいた企業経営陣や現場の方々のご尽力に改めて感謝致します。

理研は、量子を含めた、先進的なコンピューテーションの総合的な拠点としてこれからも前進を続け、よりよい社会の実現に貢献してまいります。そのためには、広く国民からのご理解を得ていく必要があると考えています。

引き続き、皆さまからのお力添えをお願いできればと考えております。

星野 剛士 内閣府副大臣（科学技術政策担当）

本日、国産量子コンピュータ初号機が、無事、稼働されたことを、お喜び申し上げます。

開発に携わった皆様、ここに至るまで、本当にお疲れさまでした。

量子技術は、将来の産業や社会を大きく、変革させる、革新技術であり、経済安全保障の観点においても、我が国が保有しておくべき、重要な最先端技術です。ここ数年、量子産業をめぐる国際競争は激化し、量子ソフトウェアの開発環境を提供するサービスも、始まっています。これからは、ソフトウェアの開発が鍵です。

ようやく我が国も、国産実機を保有し、その動作を把握しながら、ソフトウェアを開発できる、本日がその第一歩です。

産業界の期待に応えられるよう、関係者の皆様には、より一層のご尽力をお願いするとともに、皆様のご健勝を祈念致します。

井出 庸生 文部科学副大臣

これまで初号機の研究開発に携わった全ての関係者の皆様に、心からお祝い申し上げます。

量子コンピュータは、創薬、材料、金融、エネルギーなどの幅広い分野において、産業の成長機会の創出や社会課題解決の実現をもたらす革新的な技術です。今回整備した初号機が、産学官で幅広く活用されることにより、ハード本体からソフトウェアまでの様々な技術の進展に貢献し、将来の実用化に向けて、大きな一歩となることを期待します。

文部科学省としては、産業界や大学、関係府省と緊密に連携し、初号機の利活用を促進するとともに次世代機の開発も加速するなど、量子コンピュータの実用化に向けた取組を強力に進めてまいります。

最後に、関係者の皆様へ深く感謝の意を表しますとともに、初号機が我が国の経済・社会の発展に貢献することを祈念致します。

今後の展開

理研 量子コンピュータ研究センター（RQC）は量子計算クラウドサービスを通したさまざまな機関との研究協力を今後さらに発展させ、実機を利用したエンドユーザーを巻き込んだアプリケーション開発や、ハードウェア・ソフトウェア量子人材育成プラットフォームとして若手研究者の育成・輩出を進めていきます。また量子情報科学推進の拠点として、HPC技術との融合による計算可能領域の拡大や、誤り耐性量子計算の実現を目指した高度化に向けた研究開発を行っていきます。

関連リンク

• 2023年3月24日お知らせ「量子コンピュータを利用できる「量子計算クラウドサービス」開始」