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2024年11月8日

理化学研究所

シンポジウム「AIは私の未来の健康を変えるのか?」を開催しました

理化学研究所(理研) 情報統合本部 先端データサイエンスプロジェクト データサイエンスデザインチームでは、⼈間⼀⼈ひとりの⽣活背景や価値観を⼤切にするパーソンセンタード理念を重視し、個別化ヘルスケアの研究に取り組んでいます。将来、ヘルスケア分野にもAI技術が普及することを想定し、2024年10⽉13⽇、東京都港区のベルサール三⽥ガーデンにおいてシンポジウム「AIは私の未来の健康を変えるのか?〜医療福祉の現場、制度、技術のニーズを語る〜」を開催しました。シンポジウムには、AI研究者、医療福祉関係者、サービスデザイン関係者、⼤学⽣、⾼校⽣等、多種多様な約 70名の方にご参加いただきました。

シンポジウムの冒頭では、同チームが制作したパーソンセンタード理念のコンセプト紹介動画を上映しました。第⼀部では3名による講演が行われ、慶應義塾⼤学の中村 雅也 氏の講演では、病気になった後の後病者に着⽬したプロジェクトが紹介され、後病者への共感の⼤切さに触れられました。続く理研 情報統合本部 先端データサイエンスプロジェクトの桜⽥ ⼀洋プロジェクトリーダーの講演では、⼈間がより創造的になる⼿段としての⽣成AIの意義について解説がありました。厚⽣労働省の⽶澤 祐介 氏の講演では、⾃治体や医療機関等をつなぐ情報連携システム(Public Medical Hub:PMH)についてお話されました。

第⼆部では、⼆つの参加者体験型ワークショップを⾏いました。「AIとヘルスケア」では、参加者が4⼈1グループで、AI役、医師役、患者役、患者の家族役に分かれて未来のAI診療のシーンをロールプレイしました。そしてAIが提⽰する健康状態予測の選択肢を⽐較検討し、将来のAIはどうあるべきかを考えていただきました。「幸せとヘルスケア」のワークショップでは、参加者がペアを組み、3分間お互いを褒め倒すというワークを⾏いました。相⼿を観察して良い部分を⾒つけ、それを褒める体験を通じて、⼈の個性に着⽬し共感することの重要性、⼈の幸せに対する価値観の多様性を体感いただきました。

ワークショップ「AI とヘルスケア」の様子 ワークショップ「AI とヘルスケア」

第三部のパネル討論では、最初に同チームが進めているオンラインリハビリプロジェクトの紹介動画を上映し、同プロジェクトに関わる多様な関係者がパネリストとして登壇しました。パネル討論では、「幸せと技術」、「幸せと寄り添い」といったテーマについて、介護現場の貴重な意⾒を踏まえた議論が⾏われました。

多様なステークホルダーによるパネル討論の様子 多様なステークホルダーによるパネル討論

また、シンポジウム当⽇は、参加者が専門外の内容でも理解しやすいよう、講演や議論の内容をその場でリアルタイムにイラストにしていくグラフィックレコーディング(グラレコ)が真鍋 薫⼦ 氏(慶應義塾大学/リトルフルーツ)によって⾏われました。さらに、参加者にグラレコの共感できる箇所に「いいねシール」を貼ってもらい、参加者からのフィードバックもグラレコ上に可視化しました。さらに、後援団体の札幌市立大学 デザイン学部 横溝 賢 研究室の3名の学生(佐藤 優記代さん、渡邊 紗弓さん、境 美月さん)により、参加者一人一人のキャラティブ(キャラクター+ナラティブ)のイラストが描かれました。自身のイラストのステッカーをお持ち帰りいただくことで、参加者にパーソンセンタードの理念の重要性を意識していただきました。

グラレコ(招待講演1「私たちが目指す近未来の医療・介護・ヘルスケアとは」慶應義塾大学 医学部 整形外科 中村 雅也)の画像 グラレコ(招待講演1「私たちが目指す近未来の医療・介護・ヘルスケアとは」慶應義塾大学 医学部 整形外科 中村 雅也)
グラレコ(招待講演2「科学に基づくAIから再創造するウェルビーイング」理化学研究所 情報統合本部 先端データサイエンスプロジェクト 桜田 一洋)の画像 グラレコ(招待講演2「科学に基づくAIから再創造するウェルビーイング」理化学研究所 情報統合本部 先端データサイエンスプロジェクト 桜田 一洋)
グラレコ(招待講演3「医療・介護 DX の推進」厚生労働省 健康・生活衛生局 健康課 米澤 祐介)の画像 グラレコ(招待講演3「医療・介護 DX の推進」厚生労働省 健康・生活衛生局 健康課 米澤 祐介)
シンポジウム参加者のキャラティブの画像 シンポジウム参加者のキャラティブ

シンポジウムは仲 真紀⼦ 理事の講評で閉会しました。参加者アンケートでは、AI技術のヘルスケア分野への活⽤可能性と、個⼈の幸せを重視するサービスの必要性について、参加者が異業種交流をしながら考える場となった、といった声が寄せられました。本イベントが、AI技術、ヘルスケア、サービスデザインといった学際領域の学術研究の成果を社会に届けるための一助となれば幸いです。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

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