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2024年12月6日

理化学研究所

持続可能な未来に向けた「植物レジリエンス研究」の推進を提言

理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターを含む8か国21研究機関の植物研究者による国際グループは、気候変動に直面する中で世界的な食料安全保障を確保するために、植物レジリエンス研究[1]を国際的に連携・推進する重要性を提言するとともに、農業や社会へ応用展開する際にボトルネックとなる課題を発表しました。

昨今の気候変動により、地球規模で安定した食料の生産が脅かされています。2024年5月に開催された「第1回国際植物レジリエンスサミット[2]」(主催:ミシガン州立大学 植物レジリエンス研究所)に参加した、さまざまな分野の著名な植物科学者により、植物レジリエンス研究を地球規模の気候変動対策の基盤とするためのロードマップが協力して作成されました。理研からは、斉藤 和季 センター長と関 原明 チームリーダー(植物ゲノム発現研究チーム)が参加しました。

植物の乾燥や高温といった環境ストレスに対するレジリエンス強化の研究は、気候変動と戦い、世界的な食料供給の確保に貢献しますが、一方で持続可能な農業および未来社会の構築に向けてはボトルネックとなる課題もあります。科学的な課題に加えて、農業現場との連携、科学者と政策立案者との協力、グローバルサウスとの研究パートナーシップなどがこの提言において呼びかけられています。

原論文情報

  • Seung Y. Rhee, et al, "Resilient plants, sustainable future (レジリエントな植物[3]、持続可能な未来」)", Trends in Plant Science, volume 30, issue 4, 10.1016/j.tplants.2024.11.001
    科学雑誌『Trends in Plant Science』電子版に12月5日付(日本時間12月6日)で公開され、印刷版の2025年4月に掲載されます。

関連リンク

補足説明

  • 1.植物レジリエンス研究
    植物の環境ストレス(乾燥、高温、低温等)に対する耐性機構や適応機構の研究を指す。環境ストレスのような非生物学的ストレスに加え、病原菌や害虫等の生物学的ストレスも含む場合もある。
  • 2.第1回国際植物レジリエンスサミット
    MICHIGAN STATE UNIVERSITY Plant Resilience Institute|2024 International Plant Resilience Summit(英語)
  • 3.レジリエントな植物
    環境ストレス(乾燥、高温、低温等)に耐性もしくは適応する能力を持つ、あるいは、耐性・適応能力を強化した植物を指す。環境ストレスのような非生物学的ストレスに加え、病原菌や害虫等の生物学的ストレスも含む場合もある。

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