甘利 俊一 栄誉研究員(脳科学総合研究センター 第二代センター長)が学術上の顕著な功績により、本年12月12日に開催された日本学士院総会において、新会員として選ばれました。
主要な業績
数理工学という新しい分野で業績を残し、なかでも神経回路網理論の研究で複数多層パーセプトロン(MLP)の中間層にも学習機能を持たせることで、高度な識別能力を実現する方法を提案したことは、極めて重要な功績のひとつです。この研究は、現在のAIにおける超多層の深層ニューラルネットワークにおける学習法である誤差逆伝播法の源流となりました。
また、情報幾何学分野を世界に先駆けて創始し、統計学での確率分布の空間に微分幾何学の概念を導入することで、数理科学・情報科学における様々な新しい成果を生み出すことを可能にしました。
コメント
このたび日本学士院の会員に選定されたことを大変光栄に思います。私の永年考究してきた数理工学という工学の方法論が広く認められたことと、感じ入っています。