2024年11月3日に『科学者に聞いてみよう「ニホニウムってなんだ⁉」~誕生20周年記念講演会~』を理化学研究所(理研)で開催しました。会場には抽選に当選された120人ほどの方に来場いただきました。参加者のおよそ半数は高校生以下の方で、若い方々の関心の高さがうかがえました。
講演会は、数学コミュニケーターの篠崎 菜穂子さんの司会で始まりました。「ニホニウムってなんだ⁉」の疑問に対して、九州大学の坂口 聡志 教授が、この世界を構成している原子とその中心にある原子核や、その原子核同士を衝突させて新しい原子核をつくる方法について、「原子が野球場とすれば原子核はビー玉」などのたとえを使い分かりやすく説明しました。次に、ニホニウムの発見を主導した理研 仁科加速器科学研究センター(RNC)の森田 浩介 特別顧問(九州大学高等研究院 特別主幹教授)が、思わぬ出会いから新元素合成の研究に携わるようになった学生時代の思い出や、113番元素発見の瞬間から命名権を得るまでの長い研究の日々を「しんどかったけれど、楽しかった」と振り返りました。そして会場の皆さんと、ニホニウム誕生20周年を「ハッピーバースデー」を歌いながらお祝いしました。
数学コミュニケーター 篠崎 菜穂子さんのオープニングトークでスタート
「原子の中身をのぞいてみよう」を説明する九州大学の坂口 聡志さん
「ニホニウムってなんだ⁉」を説明する九州大学、RNCの森田 浩介さん
後半は、森本 幸司チームリーダー(RNC超重元素研究部 超重元素分析装置開発チーム)が119番元素の合成に向けて更なる挑戦を続けている最新状況を説明しました。更に羽場 宏光 部長(RNC超重元素研究部)は、人類が有史以来、元素を探求し近年では新元素を合成できるまでになった歴史と、元素の様々な性質とその可能性についてお話ししました。最後に研究者の皆さんが、子どもの頃の夢と今の夢を語り合いました。櫻井 博儀 RNCセンター長から「ちびっ子たちの元気な質問に元気をもらいました。その疑問はノーベル賞級です。忘れないでください。」とのメッセージがありました。
「元素ハンターの次なる挑戦」を説明するRNCの森本 幸司さん
「新元素はどんな性質をもつの?」を説明するRNCの羽場 宏光さん
当日の講演会の模様は下記よりご覧いただけます。
本講演会は、一部費用を理研にご支援いただいた一般寄附金を活用させていただき開催しました。
関連リンク
- 特設サイト「科学者に聞いてみよう「ニホニウムってなんだ!?」〜生誕20周年記念講演会〜」| 仁科加速器科学研究センター
- 2024年11月3日イベント「科学者に聞いてみよう「ニホニウムってなんだ!?」~誕生20周年記念講演会~」