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2025年1月6日

理化学研究所

藤代 有絵子 理研ECL研究ユニットリーダ―・佐々田 槙子 客員研究員が「ナイスステップな研究者」に選出

文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が発表する「科学技術への顕著な貢献2024(ナイスステップな研究者)」に、藤代 有絵子 理研ECL研究ユニットリーダー(創発物性科学研究センター 極限量子固体物性理研ECL研究ユニット開拓研究本部 藤代極限量子固体物性理研ECL研究ユニット)と佐々田 槙子 客員研究員(革新知能統合研究センター 汎用基盤技術研究グループ 数理科学チーム/東京大学 大学院数理科学研究科 教授)が選ばれました。

「ナイスステップな研究者」は、科学技術イノベーションの様々な分野において活躍し、日本に元気を与える研究者が選出されるもので、平成17年より開始され、過去の選出者にはノーベル賞受賞者も含まれています。

今年は今後活躍が期待される若手研究者を中心に、物理学、生物学、コンピュータ科学、言語学など多岐にわたる分野における、様々な社会的課題に関わる研究のほか、研究活動のみならず様々な形で国内外へ広く成果を還元している研究者、計10名が選定されました。

藤代 有絵子 理研ECL研究ユニットリーダーの写真

藤代 有絵子 理研ECL研究ユニットリーダー

受賞業績『極限環境で探るトポロジカル磁気相転移と電子物性の新展開』
物質中の電子の動きを制御することはエレクトロニクス技術において極めて重要であり、近年では「トポロジー」という幾何学的な性質を活用した電子物性研究が進んでいます。藤代 理研ECL研究ユニットリーダーは、ナノスケールの磁気構造が崩壊する際に現れる熱電効果やホール効果の巨大化を解明し、さらに数十万気圧級の超高圧下において、量子相転移による新しいホール効果も発見しました。これらの成果は、廃熱を用いたエネルギーハーベスティングや次世代電子デバイス技術への応用、極限環境での新たな物性発見につながるものとして期待されています。

コメント

この度、このような名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。物質が極限環境下で示す予想外の振る舞いは、私たちの知見を大きく広げてくれます。その驚きと楽しさを糧に、これからも新たな研究に挑戦していきたいと思います。

佐々田 槙子 客員研究員の写真

佐々田 槙子 客員研究員
受賞業績『ミクロとマクロの世界をつなぐ数学 -非平衡統計力学の普遍的な理解を目指して-』
統計力学は、ミクロな世界の法則とマクロな現象の関係を解明する学問で、特に非平衡統計力学では時間とともに変化する現象を対象としています。佐々田 客員研究員は、ミクロからマクロへの現象を数学的に説明する「流体力学極限」の普遍的理論を研究し、代数学や幾何学などの手法を活用した画期的な成果を上げています。ミクロとマクロという異なるスケールの現象の関係を解明することは、統計力学だけでなく様々な分野でも求められており、普遍的な数学理論の構築により、更に幅広い分野でスケールの異なる現象をつなぐ理論の発展につながることが期待されています。

コメント

このたびは、ナイスステップな研究者に選んでいただきまして大変光栄です。いつも研究や教育など様々な活動を支えてくださる事務職員の皆様、共同研究者の皆様、研究室の学生と秘書さん、そして家族のおかげです。心より感謝しております。

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