2025年3月25日、理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS)は、神戸大学大学院理学研究科附属惑星科学研究センターと共同で、シンポジウム「ポスト富岳で拓くアプリケーションの未来」を開催しました。当日は会場とオンライン合わせて350名ほどの方にご参加いただきました。
理化学研究所は2022年8月から2025年3月まで、文部科学省からの受託により「次世代計算基盤に係る調査研究」事業に取り組みました。同事業では、理化学研究所と神戸大学を代表機関としたシステム調査研究チーム2件を含む4チームが採択され、次世代計算基盤のシステムの方向性や新計算原理の利用、運用の在り方についての調査研究が実施されました。
今回のシンポジウムは、その調査研究の結果を踏まえ、ポスト富岳時代におけるアプリケーションの開発・利用・開発体制などの討論と、ポスト富岳においてアプリケーションで期待されるブレークスルーや成果の発信を目的として開催されました。

シンポジウムでは、下川辺 隆史 准教授(東京大学)の開会挨拶に続いて、来賓として栗原 潔 計算科学技術推進室長(文部科学省)からご挨拶をいただきました。次に理化学研究所の佐野 健太郎 チームリーダー、佐藤 賢斗 チームリーダーが「ポスト富岳として想定されるシステム概要」について講演しました。その後、招待講演として堀田 英之 教授(名古屋大学)より「太陽恒星大規模数値シミュレーションの今後の展望」、角田 昌也 部長(住友ゴム工業株式会社)より「住友ゴムにおける京・富岳活用事例紹介とポスト富岳への期待」、計盛 正博 室長(気象庁)より「『ポスト富岳』時代の天気予報」と題して講演いただきました。また、理化学研究所・神戸大学のシステム調査研究チームのアプリケーション研究者9名が、調査研究の結果報告及びポスト富岳において期待される要件や成果について発表を行いました。

招待講演

質疑応答の様子
近藤 正章 チームリーダー(理化学研究所)の閉会挨拶では、次世代計算基盤の開発プロジェクト推進におけるアプリケーション開発者との連携体制構築の重要性と協力を呼びかけ、会は終了しました。

参加者からは多くの質問が寄せられ、熱心な意見交換が行われました。なかでも次世代のシステムに対してどのようなものが利用しやすいのか、またアプリケーション分野の発展によりどのような未来につながるのかなど活発な議論がなされ、非常に有用な多くの知見が共有されました。
当日の発表資料を以下のページで公開しています。ぜひご覧ください。
シンポジウム「ポスト富岳で拓くアプリケーションの未来」(2025年3月25日・東京/オンライン)
関連リンク
- 2025年3月25日シンポジウム「ポスト富岳で拓くアプリケーションの未来」