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2025年8月27日

理化学研究所

大阪・関西万博で量子コンピュータとBlack Hole Recorderを展示

2025年8月14日~ 20日、「EXPO 2025 大阪・関西万博」のEXPOメッセ「WASSE」にて、展覧会「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」(主催:内閣府、文部科学省)が開催され、7日間で62,360人の来場者がありました。理化学研究所(理研)は、量子コンピュータの紹介のほか、サイエンスアート作品「Black Hole Recorder(ブラックホール・レコーダー)」の展示を行いました。

「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」は、2025年の「国際量子科学技術年」宣言を記念して、量子のミクロの世界、私たち生命を育む海洋と地球、そして広大な宇宙という3つのテーマを、科学・技術・芸術のコラボレーションを通じて多くの方に体感していただくことを目的とした企画展です。

量子コンピュータのVR体験

2023年にクラウド公開し、外部からの利用を開始した日本初の国産超伝導量子コンピュータ「叡(えい)」。その3次元設計図をもとに、仮想空間と現実世界を融合させるXR(クロスリアリティ)技術で精密に再現した量子コンピュータを、バーチャル空間で学ぶことができる体験展示を行い、約1,750人が参加しました。

この体験展示では、ネコがナビゲーターとなり量子コンピュータについて解説した後、参加者が自分の手で量子コンピュータを分解しながら、その構造を理解できます。終日、順番待ちのため長蛇の列ができるほどの人気で、参加者からは「万博で一番楽しい展示だった」との声も聞かれました。

XRで再現した叡の様子 XRで再現した叡
VR体験をする参加者の様子 VR体験をする参加者

Quantum Museum

「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」の最終日、8月20日には量子力学や量子コンピュータについて楽しく理解を深めるためのイベント「Quantum Museum」(主催:光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)量子情報処理領域)が開催されました。

「Quantum Museum」では、量子の性質をヒントにしたゲーム「Q-Playzone」やブロックで量子コンピュータを組み立てる工房「Q-Buildzone」といった、楽しみながら量子について学べるイベントのほか、第一線の研究者と一緒に「叡」にクラウドでアクセスしてプログラミングをした後、大阪大学の量子コンピュータにジョブを投げる体験イベントが開催されました。

量子の性質をヒントにしたゲーム「Q-Playzone」の様子 量子の性質をヒントにしたゲーム「Q-Playzone」 
量子プログラミングの体験イベントの様子 量子プログラミングの体験イベント

さらに、「今こそ知っておきたい量子コンピュータ -今日から語れる最先端技術-」と題したトークイベントも開催されました。ZEN大学の池田 達彦 准教授(理研量子コンピュータ研究センター 量子計算理論研究チーム 客員研究員)がファシリテーターを務め、大阪大学大学院の藤井 啓祐 教授(同チーム チームディレクター)、理研の玉手 修平 研究員(理研量子コンピュータ研究センター 超伝導量子エレクトロニクス研究チーム)が、それぞれ量子コンピュータについて解説しました。その後、質疑応答の時間が設けられ、参加者から量子コンピュータに関する質問のほか、「量子の研究をしようと思ったのはいつからですか」など、さまざまな質問がありました。

トークイベント「今こそ知っておきたい量子コンピュータ -今日から語れる最先端技術-」の様子の写真 トークイベント「今こそ知っておきたい量子コンピュータ
-今日から語れる最先端技術-」の様子

Black Hole Recorder

理研数理創造研究センター(iTHEMS)が外部クリエイターと2021年に制作した、量子重力理論に基づくサイエンスアート作品「Black Hole Recorder」を展示しました。多くの来場者が足を止め、Black Hole Recorderだけでなく、紹介動画をじっくり鑑賞していました。

Black Hole Recorderは、ブラックホールの内部にどのように情報が蓄えられるのかという研究が、遠い未来の大容量情報ストレージを実現するかもしれない、というひとつの可能性を空想したプロトタイプです。ブラックホールの時空の曲がりを模したホーンから音声を集音し、人工ブラックホールに録音・再生する機能を持っており、架空のブラックホール工学によってデザインされています。

Black Hole Recorderの展示の写真 Black Hole Recorderの展示

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