工作係資料
工作係は、研究に用いる実験機器の製作を行う研究支援部門として、研究所設立から間もない1921(大正10)年に設置されました。理化学研究所は技術者(職工)を米国に留学させ、最先端の技術を習得させるとともに、高価な工作機械も整備しました。その後、研究成果物の製造・販売も行い、研究所の財政を支えました。工作係の名称は、工作課、工作部、技術部など時代によって変わりましたが、現在も実験機器の製作を行う部門が存続しています。
記念史料室では、工作係やその流れを引き継いだ工作部門が製作した機器や設計図、販売資料などを収集・保存しています。
製品カタログ
財団法人理化学研究所(1917(大正6)年~)と株式会社科学研究所(1948(昭和23)年~)の時代に、理研が販売した製品を掲載したカタログ(「赤本」と呼ばれた)。
財団法人の時代のカタログ
鋭感電流計などが掲載されている(鋭感電流計については下の写真を参照)。
鋭感電流計
微小な電流を検知する測定器。「財団法人理化学研究所」の銘板が添付されている。
大型XY測定用コンパレーター
X軸・Y軸を操作し、スペクトル写真などの座標を精密に測定する機器。精度:0.001mm、測定範囲:X軸(150mm)/ Y軸(120mm)
X線写真機のパンフレット(左)と図面(右)
1935(昭和10)年ごろ。
工作部 ガラス細工
工作部門では理化学実験に用いる特殊なガラス器具をつくるために、高度なガラス加工技術を持つ技術者(職工)を擁していました。彼らは技巧やアイディアの向上に努め、動植物などをモチーフにしたガラス細工も製作しました。1965(昭和40)年ごろ。
