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2019年3月22日

神奈川県立産業技術総合研究所
理化学研究所
医薬品食品衛生研究所

「心筋細胞になりやすいiPS細胞」をみつけるための目印となる遺伝子を同定

国立医薬品食品衛生研究所再生・細胞医療製品部佐藤陽治部長(大阪大学大学院薬学研究科教授と神奈川県立産業技術総合研究所研究員を兼務)、安田智室長、大橋文哉研究生(大阪大学大学院薬学研究科、テルモ株式会社所属)らの研究グループは、大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科澤芳樹教授、宮川繫特任教授、理化学研究所科技ハブ産連本部予防医療・診断技術開発プログラム河合純副プログラムディレクターらと共同で、ヒトiPS細胞から心筋細胞への『分化しやすさ』を予測することができるマーカー遺伝子としてCXCL4/PF4を同定しました。

ヒトiPS細胞から誘導される細胞を再生医療に応用するためには、目的とする細胞に分化しやすいiPS細胞株を選ぶ必要があります。目的とする細胞に分化しにくいiPS細胞を選んでしまうと、分化していないiPS細胞が移植する細胞の中に残りやすくなり、こうした残存した未分化iPS細胞が患者さんの体内で腫瘍を形成するリスクが高くなるからです。

本研究では、心筋細胞へ分化しやすいiPS細胞株と分化しにくいiPS細胞株の遺伝子発現を理化学研究所が開発した世界唯一の遺伝子解析技術であるCAGE法など、3つの遺伝子解析手法を用いて網羅的に解析しました。その結果、CXCL4/PF4という遺伝子の発現量が心筋細胞への分化しやすさと相関することが明らかとなりました。つまり、CXCL4/PF4の発現量を目印にすれば心筋細胞の製造に適したiPS細胞株を選び出すことができると考えられます。本成果はiPS細胞株の品質管理方法として心筋再生医療の実用化に貢献することが期待されます。

詳細は神奈川県立産業技術総合研究所の報道発表資料をご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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