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2019年5月8日

大阪市立大学
理化学研究所
沖縄科学技術大学院大学

絶対零度付近で起こる超流動ヘリウム中の微粒子の不可解な動きは目には見えない量子渦が操っていたと明らかに

大阪市立大学大学院 理学研究科の坪田誠教授、理化学研究所 創発物性科学研究センターのPeter Moroshkin元研究員(2018年4月より沖縄科学技術大学院大学所属)、同センターの河野公俊チームリーダー(2018年4月より国立交通大学所属)らの研究グループは、極低温の超流動ヘリウムの表面に浮かせた微粒子の中で不可解な動きをする一群の粒子運動は、量子渦の動きに起因していることを明らかにしました。

私たちの周りには、気体や液体のさまざまな「流れ」があります。そうした流れを理解するために理学や工学など多くの分野で膨大な研究が行われてきましたが、まだ十分な解明はなされていません。約500年前、レオナルド・ダ・ヴィンチは、複雑に乱れた流れ“乱流”のスケッチを描き、“渦”こそが、流れを理解する上で重要な鍵となることを指摘しました。

流れを探索するためによく用いられるのが、ミクロンサイズの微粒子を混入し、その運動を観察する手法です。本研究では、極低温(絶対温度約2度)の超流動状態の液体ヘリウムにつけた金属をレーザー光を当てて破壊することで生成した微粒子を液面に捕獲する技術を開発し、液面に集まった粒子の中で他の粒子と全く異なる特異な動きをする一群の粒子を確認しました。その運動の理論および数値計算を行ったところ、目視できない量子渦が微粒子を捕獲し、動きを操っていたことが明らかとなりました。

詳細は大阪市立大学のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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