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2019年8月29日

京都大学
理化学研究所
日本医療研究開発機構

動物の発生において形と機能を調和させる仕組みを発見

-形の変化が細胞分化を方向づける-

京都大学の近藤武史生命科学研究科特定助教、理化学研究所の林茂生生命機能科学研究センターチームリーダーの研究グループは、動物の発生過程において、組織の形が細胞分化の方向性を制御する新たな仕組みの存在を明らかにしました。動物の体は様々な器官により構成されています。また、それぞれの器官は特有の形を持っており、固有の機能を発揮するように分化した細胞で構成されています。各器官が適切に機能を発揮するためにはこの形と細胞分化がうまく一致している必要がありますが、それがどのようにして達成されているのかについてはあまりわかっていませんでした。

これまでの考え方は、形の変化は細胞分化により制御されるというものでした。しかし今回、研究グループが形づくりが異常となるショウジョウバエ胚を詳細に解析したところ器官を形づくる過程ではその逆向きの、形の変化による細胞分化の制御も働いていることを明らかにしました。すなわち、細胞は組織形状に応じて自身の分化を調節するというフィードバックによって、形と機能の調和を達成していると考えられます。これらの発見は、組織の形という物理的な情報が細胞分化の制御に関与することを示しており、このような形づくりの仕組みを明らかにしていくことは、複雑な組織・器官の人工作製技術のさらなる改善にも役立つ知見となることが期待されます。

詳細は京都大学のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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