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2019年11月26日

東京大学
理化学研究所

原子核の形の基本原理と量子系での自己組織化

多くの原子核では表面の形は球ではなく変形して楕円体となります。これは、原子核の古典的モデルである液滴模型で、液滴が球から楕円体に変形することに対応します。A. ボーアとB.R. モッテルソン(ノーベル賞受賞講演など)は、原子核の基底状態がある楕円体になっている場合、楕円体の一番長い軸方向に表面が振動(ベータ振動)、あるいは、短い軸方向に振動(ガンマ振動)するモードを提唱しました。それらは、2番目、3番目などの励起回転バンドとして現れるとされ、既知のこととして教科書に示されてきました。一方、これまでの微視的な理論計算では、それらの満足のいく記述はありませんでした。

ポスト「京」重点課題9に参加している東京大学・理化学研究所のグループは、同グループが推進してきたモンテカルロ殻模型計算による大規模並列計算を、スーパーコンピュータ「京」やオークフォレスト・パックスのような大型スパコンを用いて行い、この難問に挑戦しました。サマリウム-154(154Sm)やエルビウム-166(166Er)のような典型例に対し、適切な有効核力を入力として、かつてない大規模なモンテカルロ殻模型のシミュレーション計算を遂行し、実験とよく一致する結果を得ました。しかしながら、得られた結果を分析すると、ベータ振動/ガンマ振動に基づく伝統的な考え方とは全く異なっていました。

詳細は東京大学 大学院理学系研究科・理学部のホームページをご覧ください。

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理化学研究所 広報室 報道担当
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