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2020年11月5日

東京大学
理化学研究所
日本原子力研究開発機構
上智大学
日本大学
宇都宮大学

原子核の存在限界(中性子ドリップライン)の新たなメカニズム

-中性子は原子核にいくつ入るか-

原子核中の陽子数(Z)や中性子数(N)はどこまで大きくなれるのか、というのは学術的に基本的な問いであり、宇宙での元素の合成にも関わる学際的な意義もあります。元素に応じてZは指定される一方、Nはさまざまな値を取れ、その元素のアイソトープを成します。あるZに対して最大のNの原子核をドリップラインと呼び、それを明らかにするのは原子核物理学の主要な課題の一つです。東京大学、理研らの共同研究グループによる本研究では、ドリップラインを理論的に研究し、それを決定するメカニズムに関して、旧来のものとは異なる新たなものを提案し、それがフッ素(Z=9)からマグネシウム(Z=12)のアイソトープのドリップラインを記述することを示しました。理論計算は量子色力学から出発して第一原理的に進め、信頼性の高いものです。CI(Configuration Interaction)計算の部分はスーパーコンピュータ「京」などによって可能になり、励起エネルギー準位の実験データも再現しました。新しいメカニズムでは、原子核の形の変形の増減がモノポール効果と組み合わされて、ドリップラインを決めていることを示しました。このメカニズムをさらに重い原子核に適用して、物質の創成と存在限界に関する我々の理解を大いに拡げることが期待されます。

詳細は東京大学 大学院理学系研究科・理学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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