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2021年6月1日

京都大学アイセムス
理化学研究所

最も詳細な解像度でゲノムDNAの3次元構造を導く技術

谷口雄一 京都大学アイセムス(高等研究院 物質―細胞統合システム拠点)教授(兼・理化学研究所チームリーダー)、大野雅恵 特定講師(兼・理化学研究所客員研究員)、安藤格士 理化学研究所研究員(現・東京理科大学講師)、David G. Priest 理化学研究所海外特別研究員(現・豪メルボルン大学研究員)らの研究グループは、細胞内のゲノムDNAの3次元構造を、ヌクレオソームのレベルで決定する技術の詳細な実験マニュアルを公開しました。

ヌクレオソームとは、細胞内の様々な遺伝子をコードしたゲノムDNAが、160~200塩基対ごとにヒストンと呼ばれるタンパク質に巻きついて形成する、ゲノムDNAの構造単位です。従来の研究では遺伝子領域に関わらず規則的にヌクレオソームが並んでいると考えられてきましたが、2019年に同研究グループは、遺伝子領域毎にヌクレオソームの配列構造が異なっていることを発見しました。発生や分化などの際に行われる様々な遺伝子の発現が、その構造を基に制御されていることを示唆するものであり、様々な生命プロセスの発生起源を知るための重要な基盤技術として、同グループの実験技術は世界的に大きく注目されています。

本プロトコールの公開は、生命科学者による多様な遺伝子発現現象のメカニズムの解析や、医学研究者による様々な疾病の発生原因の追跡など、分子レベルでの生命現象を扱う幅広い研究の高度化に貢献することが期待できます。

最も詳細な解像度でゲノムDNAの3次元構造を導く技術の図

©高宮ミンディ/京都大学アイセムス

研究グループは、次世代ゲノムシークエンサーとスーパーコンピュータを用いて ヌクレオソームの3次元的な位置や方向を明らかにする技術を開発しました

詳細は京都大学アイセムスのホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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