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2022年4月5日

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構
国立がん研究センター
理化学研究所

宇宙観測技術で分子イメージングの新技術を開発!

-医学生物学研究での応用へ-

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)特任助教 / 国立がん研究センター先端医療開発センター外来研究員の柳下 淳(やぎした あつし)氏をはじめとするKavli IPMUや国立がん研究センター先端医療開発センター、理化学研究所、JAXA宇宙科学研究所などの研究者からなる研究グループは、複数の放射性核種をプローブ(トレーサー)として用いた小動物生体内における分子イメージングで従来問題となっていた画像のノイズの課題を解決し、多核種を同時にかつ正確に画像化することに成功しました。研究にあたり本研究グループは、宇宙観測用に用いられていたテルル化カドミウム(CdTe)半導体検出器を搭載した撮像装置を開発し、加えて解析手法にはフィッティングと呼ばれる超新星残骸などの天体観測データの解析で用いられるスペクトル解析方法を適用しました。つまり、今回の成果は宇宙物理学における技術や解析手法が基礎となり、小動物生体内の分子の動態を調べる新たなイメージング技術の開発に結びついた成果と言えます。医学・生物学的研究の発展への寄与や、核医学検査への応用といった臨床医学への貢献も期待されます。さらに近年、プローブの標識核種をがんなど病巣に対する治療効果のある放射性核種に変えることで、生体内での病巣の位置特定のみならず同時に治療を行うことのできるRadio-Theranostics(ラジオセラノスティクス)という新たな診療手法が話題となっています。本研究で開発したイメージング技術では、Radio-Theranosticsで用いられる治療薬の薬物動態イメージングへの展開も期待されます。

詳細はKavli IPMU-カブリ数物連携宇宙研究機構のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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