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2022年4月11日

東京大学
理化学研究所

動物の形態進化は、「体づくり過程の変化しにくさ」に制限されてきた

ヒトを含む脊椎動物は5.5億年以上の進化を通してさまざまな姿に多様化してきましたが、どの脊椎動物もなぜか基本的な解剖学的特徴「ボディプラン」は保たれたままです。この背景として、受精卵から体ができる胚発生過程のうち、ボディプラン形成期が進化を通して常に保守的であることが判明していましたが、なぜ保守的なのかは依然として不明でした。

東京大学大学院理学系研究科の内田唯大学院生(研究当時、現理化学研究所生命機能科学研究センター多階層生命動態研究チーム基礎科学特別研究員)と入江直樹准教授らによる研究グループは、東京大学大学院理学系研究科の古澤力教授(理化学研究所生命機能科学研究センター多階層生命動態研究チームチームリーダー)らが以前行った理論研究に基づき、ボディプラン形成期は環境変動や突然変異、発生ノイズなどによる変化(バリエーション)を生じにくいために進化的に保存されたという仮説を立て、ニホンメダカを用いた精緻な実験検証から上記仮説を支持する結果を得ました。

従来、生物の進化は、主に突然変異によって生じたバリエーションが自然選択を受けることにより説明されますが、本研究は、バリエーションを生じる潜在能力の低さが進化を通した強固な保存に結びついている可能性を示しました。これは現代進化理論に拡張を迫る発見であり、生物進化のより深い理解に貢献すると期待されます。

詳細は東京大学 大学院理学系研究科・理学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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