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2022年11月17日

大阪大学
理化学研究所
アルファフュージョン社

難治性前立腺がんをアルファ線で攻撃

-阪大発の治療薬を用いた医師主導治験の準備を開始-

大阪大学 医学系研究科 核医学の渡部 直史 助教ら放射線科学基盤機構(機構長 富山 憲幸)の研究チームは、前立腺がんに発現する前立腺特異的膜抗原(PSMA: Prostate Specific Membrane Antigen)を標的とした新たなアルファ線治療に用いるアスタチン標識PSMAリガンド([At-211]PSMA5)の開発に成功しました。

今回、開発したα線治療用リガンドを前立腺がんのモデルマウスに静脈内投与したところ、腫瘍に高い集積を示し、単回投与で腫瘍の退縮効果が長期間持続することが確認されました。前立腺がんは世界的に増加傾向にあり、国内では男性で新規罹患数の最も多いがんとなっています(国内新規患者数94,748人/年)。手術後の再発病変に対してはホルモン療法が実施されますが、ホルモン療法抵抗性で多発転移を伴う場合は、有効な治療法が限られます。一方、PSMAの発現はホルモン療法抵抗性前立腺がんでも保たれていることが多く、全身に多発転移を認める場合でも治療効果が期待できます。

本シーズは日本医療研究開発機構(AMED)橋渡し研究(シーズF)に採択され、放射線科学基盤機構の研究チーム(兼田 加珠子 教授、白神 宜史 特任准教授(常勤)ら)と共に治験開始までに必要な非臨床試験を進めています。今後、研究分担者(泌尿器科 野々村 祝夫 教授、波多野 浩士 講師、薬剤部 仲定 宏 薬剤師ら)と共に医師主導治験の準備を進め、2024年度の治験開始を目指しています。

詳細は大阪大学医学系研究科・医学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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