1. Home
  2. 研究成果(プレスリリース)
  3. 研究成果(プレスリリース)2023

2023年3月2日

東京大学
理化学研究所

狙った物性を示す物質を自動設計する理論手法を開発

-ホールセンサーや太陽光発電の性能向上に応用-

東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻の乾 幸地 大学院研究生(研究当時)と求 幸年 教授は、目的の物性値が最適な値となる物質を見つける逆問題において、ニューラルネットワークで用いられる自動微分を応用することで、最適なモデルを自動的に設計する新しい理論手法を開発しました。機械学習の一つであるニューラルネットワークでは、与えられたデータを再現するように、大量の変数の最適化を自動微分と呼ばれるアルゴリズムの一種である誤差逆伝播法を用いて行います。この自動微分は、ニューラルネットワークに限らず幅広い計算に応用することが可能です。本手法では、注目する物性値が最適となるように、モデル中に仕込んだ大量の変数を自動微分を用いて最適化することによって新しいモデルを自動的に構築します。これを適用することで、巨大な量子異常ホール効果を示す新しいモデルや、太陽光によって大きな起電力が生じるモデルが自動的に得られることを実証しました。この新手法は、汎用性が高い上に広範な変数空間における自動探索が可能なため、経験や勘に基づく従来の物質設計の枠を超え、未知の物質や指導原理の発見に寄与することが期待されます。

詳細は東京大学工学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
お問い合わせフォーム

Top