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2023年4月19日

東京工業大学
東京大学
理化学研究所

酵素発現領域を染め分ける高感度ラマンプローブの開発

-ヘテロな生体組織での多重酵素活性検出へ向けて-

東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の神谷 真子 教授と藤岡 礼任 助教ら、東京大学 大学院工学系研究科/東京大学 先端科学技術研究センターの小関 泰之 教授ら、理化学研究所 生命機能科学研究センターの小幡 史明 チームリーダーらの研究チームは、標的酵素との反応後に凝集体を形成することによって標的酵素の発現領域と非発現領域を染め分け可能な新規activatable型ラマンプローブの開発に成功しました。

ラマン顕微法は蛍光法と比べて多重検出能に優れており、一度に複数の標的を可視化できるイメージング手法として注目を集めてきました。しかし、特定の条件下でのみラマン信号を発するactivatable型ラマンプローブの開発例は少なく、可視化できる対象には制限がありました。本研究では、さまざまな性質の細胞が混在して存在するヘテロな生体組織環境においても標的酵素の発現領域のみを選択的に検出可能なラマンプローブを設計・開発しました。このプローブは、標的酵素と反応すると凝集体を形成しやすくなる性質を持つため滞留性が高く、細胞外に漏れ出しにくいです。そのため、標的細胞選択的に高強度のシグナルを得ることができます。酵素活性を検出する技術は術中におけるがん部位の可視化に有用であることが知られているため、開発した設計法により、生体組織内で複数の酵素活性を同時検出可能なプローブ群を開発できれば、より高い精度でがんを可視化する技術の確立につながると期待されます。

詳細は東京工業大学のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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