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2023年6月30日

大阪大学
理化学研究所

さまざまな種類のがんの発症に関わる遺伝子を明らかに

-乳がんと前立腺がんの間で「遺伝的素因」に共通部分があることが判明-

大阪大学大学院 医学系研究科の大学院生 佐藤 豪さん(博士課程)(遺伝統計学/消化器外科学)、岡田 随象 教授(遺伝統計学/東京大学大学院 医学系研究科 遺伝情報学/理化学研究所 生命医科学研究センター システム遺伝学チーム チームリーダー)らの研究グループは、バイオバンク・ジャパン(日本)やUKバイオバンク(英国)などで収集された計118万人のヒトゲノム情報を用いて、大規模なゲノム解析を実施しました。今回の研究では、胆道がん、乳がん、子宮頚がん、大腸がん、子宮体がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、肺がん、非ホジキンリンパ腫、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんの13種類を対象にがん種横断的な解析を行いました。

がんの発症には各個人の「遺伝的素因(生まれ持ったがんへのかかりやすさ)」が関与していることが知られています。今回、研究グループは、日本人および欧米人集団のゲノムデータを用いて、13種類のがんをまとめて解析対象とするゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、がんにおける「遺伝的素因」に影響を与える遺伝子多型を新たに10か所同定しました。この中には、さまざまな種類の複数のがんの発症に影響を与える遺伝子多型が含まれていました。また、がん同士の遺伝的相関を評価することで、乳がんと前立腺がんの間で「遺伝的素因」に共通部分があることが判明し、この関係は、日本人だけではなく欧米人においても認められることが分かりました。さらに、この乳がんと前立腺がんの関連に注目したゲノム解析を行うことで、この関連の背景となっている生物学的なパスウェイや細胞組織を明らかにしました。

詳細は大阪大学大学院 医学系研究科・医学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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