理研DAY:研究者と話そう!「0.1㎜の卵に針を刺す ―顕微授精のスゴ技紹介!―」
理研は、オンラインで研究者と直接話ができるイベント「理研DAY:研究者と話そう!」を、5月27日18:00-18:30に開催します。
5月の理研DAYのテーマは「0.1㎜の卵に針を刺す ―顕微授精のスゴ技紹介!―」です。
みなさんはホ乳動物の命が始まる瞬間をご存知でしょうか?ホ乳動物もニワトリと同じように卵から命が始まります。ただ、ホ乳動物の卵はニワトリの卵(約5センチ)と比べてとても小さくて、直径が0.1mmくらいしかありません。こんな小さな卵に針を刺すことができる「顕微授精」という技術があります。顕微鏡を見ながらとても細いガラスの管を使って精子を注入する技術です。この顕微授精の技術は精子の注入だけでなく、体細胞クローン研究などさまざまな場面で役立ちます。
今回の理研DAYでは、ホ乳動物の卵について、そして顕微授精を使ったスゴ技について、一緒に探っていきましょう!ぜひ、Zoomに参加して、研究者の話を聞いてみましょう。
遺伝工学基盤技術室スタッフの顕微注入の技を紹介している動画「0.1㎜に針を刺す」もぜひご覧ください。



開催日 | 2022年5月27日(金) |
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時間 | 18:00-18:30 |
登壇者 | 的場 章悟 専任研究員(バイオリソース研究センター) |
テーマ | 0.1㎜の卵に針を刺す ―顕微授精のスゴ技紹介!― |
対象 | 小学生~大学生、一般 |
視聴方法1 | Zoomでの参加(予約不要)
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視聴方法2 | YouTubeでライブ配信予定。 視聴URL: YouTube 理研DAY: 研究者と話そう!「0.1㎜の卵に針を刺す ―顕微授精のスゴ技紹介!―」(終了しました) |
アンケート | 理研DAY アンケート |
お問い合わせ | 理化学研究所広報室 event-koho [at] riken.jp ※[at]は@に置き換えてください。 |
当日に答えられなかった質問の回答
- Q.冷凍保存されたマウスから取り出した円形精子細胞や精母細胞でも顕微授精で子どもを得られますか?
- A.冷凍されたマウスの精巣から円形精子細胞や精母細胞などの精細胞を取ると、細胞の膜がボロボロに壊れてしまっていて、顕微授精には使えない状態です。ただし、精子だけはDNAが丈夫な形でパッキングされているので、そんな状態でも顕微授精で子どもができました(Ogonuki et al., PNAS, 2006) 。ただし、凍結保存に最適な溶液(凍害剤)に入れて精細胞を保存すると、細胞の膜が壊れにくくなるので、そういう状態で保存された場合は円形精子細胞からも顕微授精で子供が得られます。凍結された精母細胞を使った顕微授精はこれまで行われていないので、できるか分かりません。
- Q.冷凍された卵子でも顕微受精でこどもができますか?
- A.はい、できます。様々な系統のマウスを使って凍結卵子から顕微授精でどれくらい子どもが生まれるかを検討したところ、新鮮な卵子を使った場合と比べて効率は半分くらいに下がるものの、どの系統でも無事に子どもを得ることができています(Endo et al., Journal of Reproduction and Development, 2007)。