2011年4月25日
独立行政法人理化学研究所
富士通株式会社
「次世代スーパーコンピュータ『京(けい)(注1)』向け超高性能CPU『SPARC64 VIIIfx』」が、「日本産業技術大賞 文部科学大臣賞」を受賞
独立行政法人理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、理事長:野依 良治、以下、理研)と、富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)は、共同で開発に取り組んできた「次世代スーパーコンピュータ『京(けい)」』向け超高性能CPU『SPARC64 VIIIfx』」(以下、「SPARC64 VIIIfx」)で、日刊工業新聞社が主催する日本産業技術大賞 文部科学大臣賞を受賞しました。
「SPARC64 VIIIfx」は、文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」の計画の一環として、理研と富士通が共同で開発を進めている次世代スーパーコンピュータ「京(けい)」の心臓部として、汎用性、高性能、高実効効率、低消費電力、高信頼性の同時達成を目標に富士通が開発したCPUです。
「SPARC64 VIIIfx」は、1チップ内に8個のCPUコアを搭載し、並列処理数を増加させることで、汎用CPUとしては世界最高クラスの理論ピーク性能となる128ギガFLOPSを実現しました。また、CPU内部の電力効率の改善や水冷方式の採用などで、CPU内部回路の漏れ電流を大幅に低減させ、消費電力あたりの性能が1ワット当たり2.2ギガFLOPSを達成し、汎用CPUとして世界最高クラスを実現しました。そのほか、エラー発生時には自動的に再実行する命令リトライ機構や、CPU内部の回路をエラー訂正するなど、メインフレームと同等の高信頼性を実現しています。CPUは、コンピュータの心臓部ともいえるキーデバイスで、富士通はコンピュータの黎明期から高い性能と信頼性とを兼ね備えたCPU開発に取り組んできました。
このような「SPARC64 VIIIfx」の高いピーク性能や低消費電力の実現、そしてその開発から得た技術が、スーパーコンピュータのみならず汎用サーバに下方展開され、今後の日本の情報技術の発展に貢献できること、そしてこのCPUを用いたシステムがその卓越した計算パワーを活かして、科学分野のみならず産業分野での貢献も期待されること、などが評価され、今回の受賞となりました。
「京(けい)」は、さまざまな計算科学の分野に広く利用されることにより、世界最高水準の成果創出に貢献することが期待され、理研と富士通は2012年の完成を目指して今後も最大限努力していきます。
- 注釈
- (注1)「京(けい)」:理研が2010年7月から利用している「次世代スーパーコンピュータ」の愛称。「京」は、10ペタ(10の16乗)を表す万進法の単位。10ペタFLOPSの性能を目標に開発を進めてきている。また、「京」はもともと大きな門を表し、“計算科学の新たな門”という期待も込められた。
- 関連Webサイト
- 理研「次世代スーパーコンピュータの開発・整備」サイト
- 富士通「次世代スーパーコンピュータ」サイト
- 商標について
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報道関係者お問い合わせ先
独立行政法人理化学研究所
計算科学研究機構
広報国際室 岡本、内田
Tel: 078-940-5625, 5624(直通)
富士通株式会社
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