要旨
理化学研究所(理研)革新知能統合研究センターが富士通株式会社と共同で設置し運用している人工知能(AI)研究用計算機システム「RAIDEN(Riken AIp Deep learning ENvironment)注1)」が、1Wあたりの性能値で10GFLOPS[1]を超える、10.602GFLOPS/Wを計測しました。
RAIDENは深層学習などのAI研究を目的として設計されたシステムであり、研究の利便性・効率性を最重要視したものです。今回、優れた消費電力性能を示したことは、環境への負荷や運用コストの低減にも貢献するものと言えます。なお、RAIDENが今回計測した10.602GFLOPS/Wは、2017年6月19日に発表された最新のスーパーコンピュータランキングの消費電力性能部門「Green500[2]」において世界第4位となりました。
RAIDENは理研革新知能統合研究センターの研究者および共同研究者であれば、自由に使えるよう開放されています。今後GPUの進歩などを背景に性能を向上させることを計画しており、国内のAI研究のさらなる加速が期待できます。
注)「RAIDEN(Riken AIp Deep learning ENvironment)」は理研によるシステム愛称。
図 データセンター内で稼働する「RAIDEN」
補足説明
- 1.
- FLOPS
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コンピュータの性能を表す単位のひとつ。GFLOPS(ギガフロップス)は10億回の浮動小数点演算を1秒間で行うことを示す。FLOPSはFloating Point Operations Per Second の略。
- 2.
- Green500
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Green500は、世界で最も消費電力あたりの性能が高いスーパーコンピュータ・システムを上位500位までランク付けし、評価するプロジェクト。近年のグリーン化の潮流を受けて、2007年11月からTOP500リスト内のスーパーコンピュータ・システムを消費電力あたりの性能順で評価しなおしたランキングを、TOP500に合わせて年2回(6月、11月)発表している。詳細はGreen500のホームページ(英語)参照。
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理化学研究所 広報室 報道担当
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