十倉好紀センター長(創発物性科学研究センター)は、フンボルト賞(Humboldt-Forschungspreis, Humboldt Research Award)を受賞することとなりました。
フンボルト賞は、各研究分野に大きな影響を与え、今後も最先端の成果を生み出すことが期待される研究者に対して、ドイツのアレクサンダー・フォン・フンボルト財団が贈呈する賞で、受賞者は年間100名以内です。授賞式はドイツで行われる予定です。
十倉センター長は、長年にわたり、強相関電子系の幅広い分野において新物質と新現象の発見によって新しい研究分野を開拓してきました。代表的な例は、「十倉ルール」と呼ばれる銅酸化物高温超伝導体の物質設計指針の提唱、電子型銅酸化物高温超伝導体の発見、マンガン酸化物における超巨大磁気抵抗効果の発見と臨界競合状態の外場制御による巨大応答発現の解明、磁気秩序によって強誘電分極が生じるマルチフェロイック物質の発見と電場による磁化制御・磁場による分極制御、非共面的スピン構造やトポロジカルなバンド構造を有する強磁性体中でのトポロジカル輸送現象の開拓などです。この他にも、キャリア数制御・バンド幅制御の金属絶縁体転移、新しい有機強誘電体の開拓、スキルミオンの実空間観測など、枚挙に暇がありません。