長田 裕之グループディレクター(環境資源科学研究センターケミカルバイオロジー研究グループ)が生物有機化学の分野における天然物ケミカルバイオロジー研究への貢献が評価され、令和3年春の紫綬褒章を受章することが決定しました。
長田グループディレクターは、微生物由来の新規化合物を数多く発見し、それらの生合成機構の解明・標的分子の同定、さらには化合物アレイ法などの革新的技術を開発して、優れたケミカルバイオロジー研究を行ってきました。放線菌から発見した化合物の1つであるリベロマイシンAは、動物実験で歯周病への治療効果が明らかとなり、臨床応用が期待されています。また、自ら単離した化合物に加えて入手可能な天然化合物を収集した、我が国で最初の天然化合物バンク(NPDepo)を創設しました。これにより、医薬農薬のスクリーニングを行いたいと思う研究者が化合物ライブラリーを使用することが可能となり、特に、大学や公的研究機関に所属する研究者(アカデミア研究者)が行う"アカデミア創薬"の促進に貢献しています。
受章者のコメント
理研で長年行ってきた抗生物質研究から、現在行っているケミカルバイオロジー研究への展開を評価して頂き、まことに光栄に存じます。ご指導頂いた先生方、研究室のメンバーと共同研究者の皆様に感謝いたします。