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2021年12月13日

理化学研究所

理化学研究所の研究者5名が「第38回(2021年度)井上研究奨励賞」を受賞

理化学研究所から5名の研究者が「第38回(2021年度)井上研究奨励賞」を受賞しました。

井上研究奨励賞は、理学、医学、薬学、工学、農学等の分野で過去3年間に博士の学位を取得した37歳未満の研究者で、優れた博士論文を提出した若手研究者に授与される賞です。

令和3年度は5名が受賞しました。

谷内 稜客員研究員の写真

谷内 稜

仁科加速器科学研究センター RI物理研究室 客員研究員/イギリス・ヨーク大学博士研究員

78Niのインビームガンマ線核分光」※)の業績が評価され、受賞に至りました。この研究では、中性子過剰なニッケル同位体である78Ni原子核(陽子数28、中性子数50)のガンマ線分光に成功し、長年未解決であった二重魔法性の直接的証拠を発見しました。

受賞者のコメント

今回受賞対象となりました研究は、仁科加速器科学研究センターの重イオン加速器施設「RIビームファクトリー」でしか到達できない極めて中性子過剰な原子核を探求したものです。本成果はフランスの研究機関で開発された検出器の初導入をはじめ、国際共同研究によって成し遂げられました。研究を完遂するにあたりご協力くださったすべての方にこの場を借りて感謝を申し上げたいと思います。

佐藤 雄貴基礎科学特別研究員の写真

佐藤 雄貴

創発物性科学研究センター 強相関量子伝導研究チーム 基礎科学特別研究員

「近藤絶縁体YbB12の電子状態に関する研究」が評価され、受賞に至りました。この研究では、これまで原理上金属中でしか観測出来ないと考えられてきた量子振動を絶縁体のYbB12において観測することに成功し、さらにこの物質が金属と類似した熱の伝搬を示すことを発見しました。これらの研究成果は、YbB12が電気的な絶縁体でありながら熱的には金属として振る舞う、新しい量子凝縮相であることを意味しています。

受賞者のコメント

この度はこのような名誉ある賞を賜り、大変光栄に思います。今回受賞対象となりました研究成果は、私が京都大学大学院在学時に達成したものであり、研究室の先生方を初めとした国内外多くの研究者との共同研究によるものです。この場をお借りして、関係者各位に感謝を申し上げたいと思います。

日髙 拓也訪問研究員の写真

日髙 拓也

生命機能科学研究センター 細胞システム動態予測研究チーム 訪問研究員

「ミトコンドリア病根治薬を目指した塩基配列選択的DNA 結合性化合物の開発」の業績が評価され、受賞に至りました。この研究ではDNA結合性化合物を用いて、核やミトコンドリアDNAの塩基配列選択的な転写・複製制御を達成しました。

受賞者のコメント

この度は井上研究奨励賞という名誉ある賞をいただき、大変嬉しく思います。今回の受賞を励みとし、今後もより一層研究に精進していく所存です。ご指導、ご協力をいただいた先生方および関係者の方々に感謝申し上げます。

山田 純平基礎科学特別研究員の写真

山田 純平

放射光科学研究センター XFEL研究開発部門 ビームライン研究開発グループ ビームライン開発チーム 基礎科学特別研究員

「Advanced Kirkpatrick-Baez ミラーを用いた高分解能X線結像光学系の開発」の業績が評価され、受賞に至りました。この研究では、高反射率・色収差なしといった優れた特性を有するX線ミラーをX線結像素子として展開し、凹凸面対向配置ミラー光学系を世界で始めて実証しました。

受賞者のコメント

栄誉ある賞を戴き、大変光栄に感じるとともに、身の引き締まる思いです。本研究は放射光科学研究センターの大型放射光施設「SPring-8」を利用して遂行されました。ご助力およびご指導いただいた全ての方に厚く御礼申し上げます。

黒木 祐子客員研究員の写真

黒木 祐子

革新知能統合研究センター 汎用基盤技術研究グループ 不完全情報学習チーム 客員研究員

「限られた観測に基づく確率的組合せバンディットの研究」の業績が評価され、受賞に至りました。本研究では、観測が限られている状況での逐次的意思決定モデルの提案とその難題に対して初めて実用的な解を与え、数理最適化理論および統計的最適性の両側面からの理論解明を行いました。

受賞者のコメント

この度は栄誉ある賞をいただき大変光栄に思います。本研究の計算機実験は、革新知能統合研究センターのAI研究用計算機システム「RAIDEN」を利用して遂行されました。ご指導くださった先生方や共同研究者の皆様をはじめ、研究活動を支えてくださった全ての方に深く感謝申し上げます。

授賞式は2022年2月4日にオンラインで行われる予定です。

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