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2022年5月26日

京都大学
理化学研究所
Symbiobe株式会社
京都府商工労働観光部ものづくり振興課

ゼロカーボン水産養殖用飼料の作出に成功

京都大学大学院工学研究科の沼田圭司教授(理化学研究所環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チーム・チームリーダー)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」、公益財団法人京都産業21「産学公の森推進事業 Ⅱ事業化促進コース」の支援のもと、Symbiobe株式会社と協同で、海洋性紅色光合成細菌を用いたゼロカーボン水産養殖用飼料の作出に成功しました。

京都府をはじめ日本国内では魚介類の養殖が盛んに行われており、飼料の安定的な供給が必要とされています。現在、多くの水産養殖用飼料には、その原料として魚粉が多用されていますが、近年では、この魚粉の原料となる天然魚の不安定な漁獲量や燃料費用を含めた経費等の問題から、魚粉の供給が逼迫する事態が生じています。今回用いた海洋性の紅色光合成細菌は、大気中の二酸化炭素と窒素を利用し、代謝物として固定することができます。その過程で紅色光合成細菌が蓄えた光合成代謝産物やタンパク質・アミノ酸等を利用して、今回、独自のプロセスにて水産養殖用の試作飼料を調製しました。この紅色光合成細菌を利用した水産養殖用飼料原料を、魚粉に代わる飼料原料の新たな選択肢として供給していくことで、天然魚の乱獲等による海洋資源・生態系の破壊を防ぎながら、サステナブルな次世代水産養殖の普及・促進を進めるとともに、地域や日本の水産業を活性化させることが期待されます。

詳細はJST共創の場形成支援プログラム ゼロカーボンバイオ産業創出による資源循環共創拠点のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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