理化学研究所(理研)は、新規事業等を目指すうえで企業が抱える研究開発課題に対し、企業と理研の混成チームを理研内に設置し、企業側の担当者をチームリーダーとして受け入れる「産業界との融合的連携研究制度[1]」において、新たに研究チームを2022年4月1日付で設置いたしました。
研究チームは、同制度2021年度研究課題の募集注1)にもとづいて、株式会社ビジョンケア、株式会社ファームロイドから、それぞれ提案のあった研究課題の採択を受けて設置されるものです。設置後は、理研と企業の相互の研究力・技術シーズを融合し、社会的課題の解決に向けた実用化・製品化を目指す研究開発を実施します。
- 注1)2021年8月2日トピックス「企業と理研の研究チームを作りませんか?」
新規研究チームの概要
新規研究チームは、以下の採択課題にもとづき、課題の提案企業主導で理研内に設置されます。
研究チームの概要(提案企業50音順)
「眼科領域遺伝子細胞治療研究チーム」(神戸地区)
(Cell and Gene Therapy in Ophthalmology Laboratory)
- 提案企業
- 株式会社ビジョンケア・VC Cell Therapy・ VC Gene Therapy
- チームリーダー
- 堀清次
- 採択課題名
- 網膜変性疾患に対する再生医療・遺伝子治療に関する治療技術の開発研究
- 研究概要
- 理化学研究所で開発されてきた疾患動物モデルを活用して、網膜変性疾患に対する遺伝子細胞治療の研究開発を行います。実際に臨床にまで進んだ治療からの貴重な知見を導入して、遺伝子治療と再生医療の更なる技術的最適化(リバーストランスレーショナル・リサーチ)を行い、包括的な治療の提供につながる研究開発を目指します。
- 設置期間
- 2022年4月1日~2027年3月31日
「ウイルス不活化LEDシステム研究チーム」(和光地区)
(Virus Inactivation LED Laboratory)
- 提案企業
- 株式会社ファームロイド
- チームリーダー
- 飯村一樹
- 採択課題名
- 230nm帯以下Far-UVC LEDを用いたウイルス不活化システムの研究開発
- 研究概要
- 新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、ウイルスの不活化技術が重要な課題となっています。本チームは、非接触でウイルスの不活化が可能と言われる紫外線よりも波長が短い深紫外線(Far-UVC)に着目し、小型で低コスト、低消費電力のLEDウイルス不活化装置の研究開発を進めます。感染症対策のみならず畜産分野への利用や農業現場への仕様など多岐にわたる用途展開を目指して研究を推進します。
- 設置期間
- 2022年4月1日から2025年3月31日まで
補足説明
- 1.産業界との融合的連携研究制度
新規事業・製品化を目指すうえで企業が抱える研究開発課題に対し、企業と理研の研究力を融合して取り組むために企業・理研の混成チームを理研内に設置して、企業主導で課題解決に取り組む制度。形式知(特許や論文等)のみならず暗黙知(ノウハウ等)の移転も実現し、基礎的な研究成果を目に見える形で社会に還元し、日本の産業技術の新たな展開に貢献する。2004年度より「理研の研究成果を活用して実用化・製品化を目指す課題」を企業から公募し、採択課題を選定している。
産業界との融合的連携研究制度
問い合わせ先・機関窓口
問い合わせ先
理化学研究所 科技ハブ産連本部 産業連携部 バトンゾーン研究推進課
Tel: 048-462-5459
Email: yugorenkei [at] riken.jp
株式会社ビジョンケア
Tel: 078-304-5260
Email: hori [at] vision-care.jp
株式会社ファームロイド
Tel: 03-6228-6565
Email: iimura [at] farmroid.com
※上記の[at]は@に置き換えてください。
報道担当
理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
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