理化学研究所(理研)は2022年7月14日、理化学研究所名誉理事長証授与セレモニーを行いました。
名誉理事長の称号は、理研理事長経験者のうち、研究所の経営等に特に顕著な貢献があったとして、理事会議においてその功績を顕彰することが適当と認めた者に対して、理事長が授与するものです。
今回の授与セレモニーでは、特殊法人時代に理事長を務められた小林俊一元理事長、独立行政法人時代に理事長を務められた野依良治元理事長、そして、国立研究開発法人としての初代理事長である松本紘前理事長に、五神真理事長から名誉理事長証が授与されました。
各名誉理事長の功績
小林名誉理事長
1998年8月の就任から2003年9月までの5年間、特殊法人理化学研究所の理事長として研究所の経営に尽力された。ゲノム科学総合研究センター、遺伝子多型研究センター、発生・再生科学総合研究センター、植物科学研究センター、バイオリソースセンターといった「ミレニアムセンター群」を次々と発足させ、横浜研究所、神戸研究所整備にも尽力された。また、2001年4月の独立行政法人化を目前に控え、2000年6月に開催された第4回RIKEN Advisory Councilにおいて掲げた「理化学研究所の将来に関する考え方」は、その後の独立行政法人、国立研究開発法人としての理研の礎を成したと言える。
野依名誉理事長
2003年10月に独立行政法人となった理研の理事長に就任。2015年3月までの11年間、研究所の発展に尽力された。国の中期目標に基づき策定した中期計画のもと、多くの戦略センターの発足に加え、国家基幹技術としてX線自由電子レーザー「SACLA」とスーパーコンピュータ「京」を完成させるなど、理研の研究活動の拡大に大いに貢献された。就任後に発表した野依イニシアチブでは、「見える理研」「科学技術史に輝き続ける理研」といった5つの構想を掲げたほか、「理研精神」という言葉を所内外に定着させるなど、理研の業績に見合う社会的なプレゼンスの獲得にも注力された。
松本名誉理事長
2015年4月より国立研究開発法人理化学研究所の理事長に就任し、2022年3月までの7年間、研究所の運営改革にその手腕を発揮された。2015年5月には研究開発成果を最大化する研究運営システムを開拓・モデル化することを打ち出す科学力展開プランを発表し、本部機能の強化、理事長裁量経費の予算化、安定性と流動性を兼ね備えた新人事制度の確立などを実行された。またイノベーションを生み出すために、国内外の研究機関や大学や自治体との科学技術ハブ機能形成の推進に尽力し、国立研究開発法人協議会を設立し初代会長を務めるなど、特定国立研究開発法人の運営モデルを示すべく法人経営に尽力された。
名誉理事長証授与セレモニーの様子
(左から小林俊一 元理事長、野依良治 元理事長、松本紘 前理事長、五神真 理事長)